伝統芸能の後継者不足課題

地域の活性化策などについて意見交換した一集落1ブランド事業の意見交換会

一集落1ブランド事業 認定21集落代表ら意見交換

 奄美市が集落活性化策として取り組んでいる「一集落1ブランド事業」に認定されている集落の代表らが意見交換する第1回会合が9日、同市役所であった。集落代表のほか、市内のNPO法人の関係者らも出席。認定された集落ブランドの保存維持や地域活性化にむけた取り組み、課題などについて話し合った。過疎や住民の高齢化などにより、ブランドの維持が困難になっている現状などが報告され、市が実施している助成事業の活用などが呼び掛けられた。

 一集落1ブランド事業は、各集落に受け継がれてきた伝統芸能や特産品、自然景観などの地域資源を地域の宝としてブランド認定し、地域活性化に生かす目的で、市が2007年度から取り組んでいる。これまでに笠利町佐仁集落の八月踊りや同町屋仁集落の田イモ、名瀬小湊地区の小湊フワガネク遺跡とソテツ畑、住用町川内集落のフナンギョの滝など21集落の22種をブランド認定している。

 会合では冒頭、朝山毅市長が「互いの集落の取り組みなどについて意見交換し、連携を図りながら集落の活性化につなげてもらいたい」とあいさつ。小湊婦人会の代表らが、市の助成事業を活用して夜光貝のアクセサリー作りや案内パンフレット製作などの取り組みを発表した。

 意見交換では、各集落でブランド認定を受けている伝統芸能の継承活動について、後継者不足などが課題となっていることが報告された。活性化策として、定住促進のための空き家リフォームや家賃補助などを求める意見が相次いだ。

 また、小湊地区の代表からは、「上方地区や小宿地区などに比べ住宅地などの整備が遅れている」などと指摘。「集落活動だけでは、地域活性化は難しく、行政の支援が必要」といった意見もあった。