建設業の担い手育成へ

グレーチング設置作業を体験した生徒たち

港湾工事現場見学・作業体験
奄美高生「知ることで視野広がった」

 村上建設㈱と東洋建設㈱は27日、奄美高校機械電気科の2年生を対象に奄美市の名瀬港に関する工事現場で現場見学や作業体験を行った。生徒らは普段入ることのできない現場に立ち入り、説明を受けながら見学したり、測量や実際の作業を体験し、建設業に対しての興味を深めた。

 国土交通省から工事を受注する両社は、同省の担い手育成事業を活用し、同見学・体験を初開催。名瀬新港岸壁の老朽化に伴う改良工事(村上建設)と2018年の台風24号により破損した沖防波堤復旧に向けたケーソン(防波堤基礎に用いる鉄筋コンクリート製の箱)製作(東洋建設)の現場に同科生徒らを招いた。

 この日はまず、同校で国交省九州地方整備局鹿児島港湾・空港整備事務所建設管理室名瀬港出張所の中村祥也建設管理官が港湾の役割や施設を説明。中村管理移管は「名瀬港は奄美大島の流通拠点、交流拠点として重要な役割を果たしている。港湾の整備は重要」と紹介した。

 その後2班に分かれ各現場に移動。岸壁工事の現場では生徒らが実際にグレーチング(側溝などに用いられる金属製で格子状の蓋)を設置する作業を体験。グレーチングをつるした大型クレーンのオペレーターに身振り手振りで合図し指定位置まで運び、大きさ125㌢×120㌢、重さ約100㌔ものグレーチングを設置した。

 このほか図面作成などに欠かせない水準測量や光波測量なども体験。ケーソン製作現場ではフローティングドッグ船に乗り、仕組みなどの指導を受けた。2班は午前午後で現場を入れ替わり、全ての生徒が両現場で見学・作業体験を行った。

 村上建設の野田孝幸工事主任は「オペレーターに合図を出し動かすなど一体感も味わってもらえた。これを機に興味を持ってもらえれば。今後、ケーソンの据え付け作業などの見学も計画している」と話した。

 また、参加した機械コースの丸田渉登さん(17)は「もっとキツイ現場だと思っており、機械やコンピューターが多く導入されていたことに驚いた。知ることで視野が広がり、将来の進路の一つとしてとらえられた」と語った。