「離島にサーモグラフィーを」

全国知事会で三反園知事

 【鹿児島】新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた「緊急事態宣言」の対象が全国に拡大されたことを受けて全国知事会(会長・飯泉嘉門徳島県知事)は17日、6度目となる緊急対策本部会議を実施。三反園訓知事は「離島のためにサーモグラフィーが余っているところがあれば助けていただきたい」などと発言した。

 会議はweb方式で実施され、三反園知事は5番目に登場して鹿児島県の実情や要望などを述べた=写真=。

 「離島は医療資源が限られており、島内で感染が起きれば深刻な事態を招く」と危惧し、水際対策に必要なものとして現在不足しているサーモグラフィーの提供を全国に呼び掛けた。

 県全体としても医療物資の不足は深刻で、アルコール消毒、マスク、防護服などを「国がいつまでにどれぐらい届けてくれるのかを明確にして欲しい」と要望。特に医療従事者への防護服提供や過酷な勤務に対する特別手当などを強く求めた。

 また県の基幹産業でもある「観光業が深刻な打撃を受けている」として、県だけでなく国からも様々な金融支援を実施することを要望していた。

 これ以上の感染拡大を防止するためにも「県域をまたいだ人の移動を制限する」ことが第一であるとして、全都道府県が一致協力して取り組んでいくことを強調していた。

 緊急事態宣言の対象拡大を受けて、知事会では①イベント等の開催や事業活動の自粛など感染防止のための協力要請に対する補償②各都道府県が実施する緊急事態措置の範囲③感染リスクの拡散防止及び国民の行動変容を促すための注意喚起の徹底④命を守るための医療提供体制の整備⑤地域の自由度の高い財政支援制度の創設及び手続の簡素化⑥減収補填債の対象拡大⑦風評被害、差別意識の排除の推進⑧事態終息に向けたさらなる対策の検討

 以上、八つの緊急提言を採択した。