「蔘皇」で免疫力アップを

「故郷に恩返しがしたい」
村野さん(知名町出身)

 【鹿児島】知名町出身の村野駿さんら(23)=写真=のグループが無農薬の国産高麗人参を使用したサプリメント「蔘皇(じんおう)」を開発。5月から株式会社Rizを立ち上げ、本格的な販売を開始する。村野さんは「親や祖父母、故郷でお世話になった人に恩返しがしたい」と張り切っている。

 高麗人参は漢方薬で広く活用されており、一次加工した「黒参」はかつて中国、朝鮮では皇帝しか使用できなかったほどの希少価値があるとされる。ラットを使った実験では肺炎球菌に対して100%重症化を防ぐというデータも出ており、村野さんの協力者で元商社マンの山本康一朗さんは「今このご時世だからこそ、身体の免疫力を高める黒参が役に立つのではないか」と着目。鹿屋で無農薬水耕栽培の高麗人参を加工した黒参パウダーを10%使用したサプリメントの開発に成功した。

 「蔘皇」は黒参のほか、身体への吸収力を高めるフルボ酸も含まれている。甘みもあって子供でも食べやすいのが特徴だ。

 今回、村野さんらが立ち上げたRizは、鹿児島市を拠点に活動する。活動が軌道に乗り利益が出る仕組みが作れたら、同じ仕組みを故郷・沖永良部に持ち帰り、新たな産業として活用することも視野に入れている。村野さんは「一度島を出てから、再び島に産業を持ち帰る。新しいかたちの『島おこし』につなげていきたい」と意気込みを語っていた。