70日ぶりに運航再開

成田空港から到着したピーチ機(19日午後1時10分、奄美空港)

運航再開したピーチ第一便から降り立った搭乗客はみなマスク姿(奄美空港到着ロビー)

「コロナ対策と運航の両立へ
「地域経済の再生に」
ピーチ成田・関西線

 格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーション社(森健明代表取締役社長)は19日、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、4月から運休していた奄美大島を結ぶ東京(成田)線、大阪(関西)線を70日ぶりに運航再開した。再開初日、上下便合わせた搭乗客数(搭乗率)は東京線118人(33%)、大阪線99人(28%)がそれぞれ利用した。

 同社は新型コロナの感染拡大の影響による航空需要の減少を受け、4月1日から国内・国際線の大幅な減便・運休措置を実施。奄美空港=奄美市笠利町=を発着する就航機はA320―200機(180席)で、1日1往復就航する東京、大阪線は4月10日から運休していた。

 19日、都道府県をまたぐ移動制限は全面的に解除されたが、ピーチ社は引き続き客室内の除菌と換気、乗務員の感染対策を進める方針。奄美路線と同じくこれまで運休していた国内全路線は同日再開。7月22日からは全便正常化する見通しだ。

 同社広報は「今後も徹底した感染対策と運航を両立させながら、地域経済の再生につながるサービス提供につとめたい」としている。

 LCCの再開に朝山毅市長は「来島を待ちわびていた利用者が安心、安全に奄美を満喫できるよう、受け入れ自治体としてともに取り組みたい」と述べた。

 成田発541便は定刻通り、午後1時10分、奄美空港に到着。68人が降り立った。法事で帰省したという東京在住の女性(61)は「LCCが再開するタイミングに合わせて予約した。東京では感染リスクを警戒して緊張感がある。滞在時は対策をしっかりと講じたい」と話した。

 緊急事態宣言によって、地元で足止めとなっていた家族も移動制限解除を喜ぶ。

 出産のため1月から里帰りしていた妻と子どもを迎えに帰省したという、東京在住で飲食業の勝雄生さん(26)=奄美市名瀬出身=は「4月に戻る予定がいままで長引いた。家族一緒の生活が始まることをうれしく思う」と安堵の表情。一方で「都会での生活はいまも心配がある。感染対策を講じたい」と話し、家族と帰途についた。