「まず浮いて待つ!」着衣水泳

水難事故に備えて保護者らを講師にあった兼久小の「着衣水泳」授業=14日、天城町

先生はライフセーバーの保護者
天城町兼久小 夏休み前に学ぶ

 【徳之島】「浮いて待つ。自分の命は自分で守ろう」―。天城町立兼久小学校(院田裕一校長・児童数54人)で14日、ライフセーバーの保護者らを先生に招いた「着衣水泳」が全児童を対象にあった。水に親しむ機会の増える夏休みを前に、水難事故の疑似体験を通して小学生でもできる自分と他人の命を守る心構えを学んだ。

 ゲストティチャーは同校児童の保護者でもあり、日本ライフセービング協会(JLA)登録者の寶(たから)優作さん(37)と西松寛さん(38)=徳之島ライフセービングクラブ会長=の2人。延期中のかごしま国体トライアスロン競技(同町会場)の安全管理などにも関わっている。

 「着衣水泳」の体育授業は5・6年生16人、3・4年生16人、1・2年生22人の高・中・低学年の順に同校プールであった。

 同授業の冒頭、寶さんと西松さん(救急救命士)は「よく食べてよく寝て、体調が悪いときはプールや海には入らない。海の事故では2人に1人が亡くなっている」。自分が水中に落ちてしまった場合は「あわてずに体の力を抜いて、まず浮くことが大事」。着衣は「体力・泳力のない子は服(布)や靴が浮く力を助ける浮力体にも」。携帯電話操作中の歩行などで誤って落ちた人を目撃した場合は「まず助けを呼ぶ・知らせる。近くの浮く物を投げる。ペットボトルは少し水を入れると飛ぶ」などもアドバイス。

 着衣のまま仰向けになり、ペットボトルやビニール袋などを〝ラッコ状〟に抱えて浮くことなども体験。児童の西野美波海(みなみ)さん(4年生)は「泳ぎは得意な方だが、自分を守るためにはあわてずにリラックスして浮いて助けを待つことが大切」。岩元総亜(そうあ)君(3年生)は「目立つ服装も大切。ペットボトル1個で浮けることも分かった」と話していた。