生徒指導ハンドブック案(仮称)などについて意見交換した第8回再発防止対策検討委員会
奄美市の中学1年男子生徒(当時13歳)が2015年11月に自殺した問題で、同市教育委員会が設置する「再発防止対策検討委」(委員長=假屋園昭彦鹿児島大教授)の第8回会合が14日、市役所であった。今回で議論を終了する予定だったが、生徒指導の在り方などについてまとめた「生徒指導ハンドブック」(仮)案について、委員から不十分さを指摘する意見などがあり、内容を再度検討し、10月に改めて提示することになった。
会合は非公開で行われ、終了後に假屋園委員長が協議内容などについて説明した。
假屋園委員長は提示されたハンドブック案について、「再発防止に向けた対策などが示されており、かなり完成度の高い内容となっている」と評価。「全委員が納得できる内容にするため、残された論点について、しっかり整理したい」などと述べた。
一方、同検討委の委員でもある男子生徒の父親は、会合終了後、報道機関の取材に応じ、「これまで同様、一般論に終始した内容にとどまっている。市教委の事後対応の問題点なども示されていない」と話し、委員長の見解とは食い違いを見せている。
市教委によると、委員からは、ハンドブック冒頭で示された男子生徒の事案に関する概要説明の不十分さや市教委の事後対応に関する課題が明記されていない点などについての指摘があったという。今後、市教委として内容を精査する。
また、遺族側が再三求めている再発防止策を検証する第三者機関の設置について、假屋園委員長は「必要性の認識は一致している」と述べ、今後既存の組織の活用も含め検討する考えを示した。
第三者機関について父親は「既存の組織では機能しない。第三者機関の設置だけは、譲ることはできない」などと話し、新たな組織の設置を強く求めている。
市教委は次回、9回目の会合を10月6日に開催。今回、委員から出た意見を集約し修正したハンドブックをまとめ、同対策委員会での議論を終了する予定だ。