奄美の夏の味覚、ミキ

専門店の「花田ミキ店」製造場。かくはん作業する花田大樹さん

夏バテ防止にいかが!

 〇…梅雨が明け、晴天の日は、日傘が必要な季節を迎えた。発酵飲料のミキは、奄美の夏の味覚の一つ。食が細くなりがちな夏場を乗り切るため、ご飯代わりに、冷やした飲みやすいミキを買い求める人々が多くなる季節だ。材料は米、サツマイモ、白糖。

 〇…インターネットで検索すると、奄美大島では、奄美市名瀬、奄美市笠利町節田、龍郷町中勝、瀬戸内町古仁屋などでミキを作る業者とミキ商品情報を入手できるほか、ネット販売情報も入手できる。紙パック、ビニール製ミニパック、ペットボトル、瓶入りの商品がある。バナナ、パッションフルーツ(時計草)等の果実や果汁、野菜ジュース、ヨーグルトを入れて食す人もいれば、お菓子やパンケーキの材料として活用する事例紹介もある。奄美大島のスーパー、商店で販売している。

 〇…『奄美の伝統料理』(泉和子さん著)によると、昔は各家庭で作っていた。ミキは「神酒」とも書き、豊年祭などのときに作られ、神への供え物にしていたという。

 〇…奄美市名瀬鳩浜町にある「花田ミキ店」の話によると、名瀬の福祉施設、病院にも納入。名瀬の水産会社2社が、名瀬から遠い集落を回る商品販売車の一つの商品としてミキを購入している。豊年祭の時期に各集落から注文が入る。数は少ないものの、島外の出身者から電話、ファクスによる注文もある。「梅雨明け時期から9月にかけて売り上げが伸びる。今年は梅雨時期が長く、新型コロナウイルスの影響もあって例年より売り上げは大幅に減少した。天候によって売り上げが影響を受ける」(花田謙一郎代表)。