大川ダムビオトープ観察会

夢中でビオトープの中の生き物を探す

 

オタマジャクシもよく見ると種類によって形状が異なる

 

いろんな生き物に歓声
奄美野鳥の会

 

 奄美市名瀬朝戸の大川ダム敷地内のビオトープにて20日、NPO法人奄美野鳥の会(鳥飼久裕会長)が昆虫、植物などの観察会を開いた。親子連れなど16人が参加し、大ウナギやトンボ、ヤゴなどの生き物をみつけると、歓声が上がった。

 ビオトープとは復元された野生生物の生活空間のことで、同ビオトープは20年程前に「水辺の環境に親しめるように」とつくられ、奄美市が維持・管理している。

 本観察会担当の山室一樹さんが目的、観察のしかたなどを説明後、まず一緒に池の周りを歩いてどんな生き物がいるかを観察。トンボだけでもリュウキュウベニイトトンボ、ヒメトンボ、ハラボソトンボなど数種類を発見。池の中にはイモリやメダカ、オタマジャクシ、ゲンゴロウやヤゴなど。中には本土では希少種とされているコガタノゲンゴロウもいた。捕まえたものは容器に入れ、みんなで観察し、同会会員からの解説を聞いた。

 参加していた小田島わかさん(10)は「いろんな生き物が見られてよかった。ヒメアマガエルのオタマジャクシの頭が透明で驚いた」と語った。弟のさわくん(4)は「目の前でオタマジャクシをゲンゴロウが食べてびっくりした」と話した。また、大冨釈花=しゃか=さん(10)は「そんなにいないかと思ってきたが、けっこうたくさんの生き物がいてよかった。ゲンゴロウの幼虫を初めて見られてうれしかった」と話した。

 山室さんは「このビオトープのように池の周りが土のまま残っているところは奄美でも少なくなっており、とても貴重。また、こういう池は何もしないと埋まってしまうので、定期的な手入れが必要。水辺の生き物が危機的状況にあることを知って欲しい」と語った。