「えらぶゆり」GI登録

和泊町の笠石海浜公園に咲いた「えらぶゆり」(資料)

農水省保護制度 観賞用植物で全国初

 【沖永良部】沖永良部の「えらぶゆり」が18日、地域の農林水産物や食品のブランドを守る農林水産省の「地理的表示(GI)保護制度」に登録された。県内では五つ目の登録で、切り花などの観賞用植物の登録は全国初。

 島に自生していたテッポウユリから繁殖、育成されたものを「えらぶゆり」と呼んでいる。1902年に本格的な栽培が始まってから110年以上の歴史がある。現在作られている品種は、ヒノモトやプチホルン、ピュアホルンなど。12月から4月ごろが出荷の最盛期。

 登録団体は沖永良部花き専門農協とあまみ農業協同組合。2019年度の生産戸数は68戸(和泊32戸、知名36戸)、栽培面積は10・28㌶(和泊5・18㌶、知名5・1㌃)、出荷本数は255万2千本(和泊126万4千本、知名128万8千本)となっている。

 和泊町の生産者、伊地知浩一さん(61)は「とてもうれしい。ユリの栽培は今も昔も手作業のところが多くて大変だが、後継者を育てるためにも頑張って作りたい」と話した。

 GI保護制度は、地域に根付いた農林水産物などの名称を政府が知的財産として保護する制度。登録により専用のマークを付けて販売でき、ブランドを守りやすくなる。「えらぶゆり」のほか、山口県の「徳地やまのいも」など3品目も登録され、計102品目となった。