瀬戸内町スマート農業研修

アシストスーツを試着する町職員

アシストスーツを試着
腰の負担軽減で労働効率アップ

 身体に装着して、足や腰の動きを補強しながら作業負担を軽減する「アシストスーツ」―。瀬戸内町は19日、同町古仁屋の「せとうち物産館」で農作業の労力軽減を考える研修会を開き、高齢化した農家を支え新規就農を増やすためアシストスーツの将来性について意見を出しあった。

 行政職員を対象にした今回の研修会は、ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用して省力化や高品質生産を実現する「スマート農業」推進の一環。参加した町や県の職員6人は農作業の負担軽減をテーマに、▽腰痛軽減▽収穫・運搬の効率化―で効果が期待できる技術を学んだ。

 近年、地方自治体や企業でアシストスーツを農業に導入する動きが高まっているという。収穫時にかがむ、収穫物の持ち上げや運搬など前傾姿勢を強いられるため、身体負担の軽減策として注目されているからだ。

 この日はスーツを取り扱っているユーピーアール(東京本社)の担当者が来島し、無動力・動力の5タイプを用意して機能や導入状況を説明。スーツの試着会があり参加者が着心地を確かめた。

 スーツは腰痛ベルトと背骨にあたるパーツで構成。肩や膝下にベルトを巻き付けて装着する。着ると背筋が伸びる仕組み。メーカー販売価格は2万5千円~となっている。

 装着した職員からは「(装備は)意外に軽い」「きつい姿勢から楽な姿勢に戻そうとする力が働く」。動力タイプについては「筋肉を使う感じが薄まり、特に前傾動作が楽」などの意見が出、腰への負担減を実感していた。

 同社南九州営業所によると、スーツは介護や物流事業所での導入が活発化。県内では農業分野の反響が大きいという。阿部昌宏係長は「農業地域でのニーズの掘り起こしにつとめたい」と意気込む。

 同町農林課の西田博仁課長補佐は「農家の生産性向上につなげるため様々な取り組みを試したい」と話し、今後農家対象の試着会開催を検討するという。