農業改良普及指導活動外部評価会

普及指導活動について意見を交わした外部評価会=和泊町=

3テーマ発表「生分解性マルチ」省力化技術も
大島支庁沖永良部事務所農業普及課

 【沖永良部】2020年度農業改良普及指導活動外部評価会(大島支庁沖永良部事務所農業普及課主催)が19日、和泊町役場結いホールであった。関係機関から約40人が参加。「生分解性マルチ」を使ったサトイモ収穫時の省力化技術など三つの普及活動の成果や今後の課題について意見を交わした。

 農業者の技術向上や経営安定を目指し、県が取り組んでいる普及指導活動の成果や展開方法を総合的に評価するため開催。

 発表テーマは▽畑かんを生かした地域営農の推進▽サトイモの省力化技術の確立・普及による産地育成▽安定したサトウキビ生産技術の確立と持続ある産地の育成―の三つ。

 畑かん営農の推進では、キビやバレイショなど品目別の水利用の状況を報告。島内で水利用が可能な畑1500㌶のうち、水を利用した畑が昨年度実績で全体の34%だったと説明し「水を使わない農家の実態を把握する必要がある」と指摘した。

 サトイモ収穫作業の省力化に向けた取り組みでは、「生分解性マルチ」と従来のポリマルチを比較。使用後に畑にすき込むことで、土中の生物によって分解される生分解性マルチのメリットとして、剥ぎ取らずに作物を収穫可能なことや廃棄物処理が不要なことなどを挙げた。収量については、2016年から3年間の調査結果から「ポリマルチと同等、またはそれ以上」と述べた。

 サトウキビについては、苗の植付機「ビレットプランタ」を使った機械化体系の確立について報告した。

 このほか、サトウキビの搾りかす「バカス」を活用したスプレーギク栽培や担い手支援などの取り組みについて情報交換した。