「はぐくみ育ち見守り隊」結成

乳幼児との触れ合い遊びなど学んだ、「はぐくみ・育ち見守り隊」の第4回養成講座

奄美市 妊娠、育児まで切れ目なく支援

地域における出産、子育ての見守り体制構築を目的とした「はぐくみ・育ち見守り隊」が13日、奄美市で結成された。国の「地域少子化対策強化交付金事業」を活用し、結婚・妊娠・出産・育児の切れ目ない支援を行うための地域づくりの一環。名瀬地区で子育てが一段落した女性40人が「黒うさぎおばちゃん(隊員)」として妊婦訪問や母親への声掛けを通して出産・育児をサポート。行政へのつなぎ役も担う。

同市健康増進課によると、近年は核家族化の浸透や、転勤者・Iターン者など親元を離れて島で暮らす人も増えている一方、一昔前と比べて近所付き合いは希薄になっており、出産や育児の相談を出来る人が身近におらず、不安を抱える若い人たちが少なくないという。

同見守り隊は「安心して妊娠・出産・子育てができる地域づくりの応援団」。具体的には母子手帳交付時に了解を得た人を対象とした妊婦訪問。また日常の中で地域に子どものいる家庭があれば声掛けを通して関係を築き、相談等を受けた場合に助言したり、行政へつなぐ役割も担う。

隊員は30歳代から最高齢81歳までの約40人。同市が広報紙などで「育児経験のある人、こどもが大好きで子育て支援に関心のある人、地域づくりに貢献したい人」を募り、活動に賛同した名瀬地区の女性有志で、10月から今月13日まで4回の養成講座を受講。

講座最終日の13日は、市役所で元保育士や市保健師の指導のもと、「乳幼児との触れ合い遊び」を学んだ。保健師から「今は子どもが喜ぶオモチャがたくさん普及しているが、心の成長は人と人との触れ合いの中で促される。今の若い母親たちはこうした子どもとの遊び方を知る機会が少ないため、これから出会う母親たちにもぜひ伝えてあげて」と助言があった。

養成講座に参加した仲谷智美さんは「子どもが養護学校に通っており、これまでの経験から子育てに対する親の不安なども理解しているつもり。以前は保育士もしていたので、私の経験や知識が、地域で今悩んでいる母親たちの役に少しでも立てばと思い、知人に誘われる形で参加した」と話していた。