徳之島地区 土中廃棄 グアバ、アセロラ

徳之島地区 土中廃棄 グアバ、アセロラ

ミカンコミバエ侵入・定着防止に、グアバとアセロラ果実の土中処分を行う関係者=14日午後、伊仙町喜念(JA敷地)

ミカンコミバエ再侵入・定着防止へ
テックス板設置と併行

【徳之島】県や徳之島3町当局などの徳之島地域ミカンコミバエ等侵入警戒対策本部(本部長・高岡秀規徳之島町長)は14日までに、同害虫が好むグアバとアセロラの果実約255㌔を3町から回収、土中廃棄処分した。誘殺剤のテックス板設置と併行、農水省門司植物防疫所の指導による再侵入・定着防止のための初動対応の一環だ。

徳之島地区では3町に設置した計45カ所トラップのうち、今月4―7日までに計12カ所で計20匹を誘殺し飛来が確認されている。同侵入警戒対策本部(事務局・徳之島町農林水産課)はトラップの確認を週2回に増やし、新たに各町8カ所ずつ計24カ所に誘殺トラップを追加。12日からは計1万5千枚のテックス板を面積比で3町に配分して、各町とも男性職員らを総動員して設置作業を推進。7日以降の誘殺確認は「ゼロ匹のまま」(事務局)という。

熱帯果樹のグアバとアセロラなどは、同害虫が特に好む好適寄主の果実とされる。土中廃棄処分はこれら果実への寄生による繁殖・拡散(再侵入・定着)を食い止めるのが目的。門司植防名瀬支所が同島対策本部に指導していた。

各町は防災行政無線などを通じ全町民に協力を要請。伊仙町は職員が町内を巡回して直接回収し、徳之島、天城両町は各集落自治公民館への持参を呼び掛けた。14日正午までの回収数は▽伊仙町162・5㌔▽徳之島町75・1㌔▽天城町17・3㌔。地下約3㍍の土中に埋めて廃棄した。

町関係者によるとグアバは8月以降~10月中旬の結果期のピークを過ぎ、アセロラについても庭木程度の植栽分で「埋却処分による損失は低い」と予想する。

回収・処分作業を指導した県大島支庁農政普及課特殊病害虫係の堀江宏彰主任研究員(42)は「好適寄主のグアバやアセロラにほぼ産卵をすると言われている。産卵をする種を除くことは、次世代を減らすことに効果的。今後、国・県・市町村が連携して粛々と防除対策を進めることが大事」と話した。