徳之島町「金見水曜クラブ」厚労大臣表彰に輝く

厚生労働大臣表彰を報告した「金見水曜クラブ」の元田豊代表(左から2人目)ら関係者=20日、徳之島町役場

「健康寿命を伸ばそう!アワード」
介護予防へサロン活動

【徳之島】国民の健康寿命延伸を進める国民運動の今年度「第4回健康寿命を伸ばそう!アワード」(厚生労働省主催)の介護予防・高齢者生活支援分野の団体部門で、徳之島町金見集落の介護予防自主サロン「金見水曜クラブ」(元田豊代表、会員38人)が、団体部門唯一の厚労大臣表彰に輝いた。表彰式(16日、東京丸の内)に臨んだ元田代表(68)が20日、町当局に受賞報告した。
 
厚労省は今年度「健康寿命をのばそう!アワード」の取り組み事例を7―8月に募集した。生活習慣病予防分野などのほか、「介護予防・高齢者生活支援分野」は前年度から追加、実質的には2回目。全国都道府県ごとの代表1団体を全国審査に推薦、中央審査するシステム。

本県からは、「元気な集落は、憩=いこい=の場から~金見水曜クラブ~サロン活動を中核とした地域活性化」(取り組み名称)を推進する同クラブが代表に。地域包括ケアシステムの構築に向けた介護予防・高齢者生活支援に、地域の実情に応じ優れた取り組みを行い顕著な成果を挙げた―と評価。健康寿命延伸の国民運動推進に貢献し、他の模範であることなどが認められて同分野唯一の大臣表彰を射止めた。

金見地区(元山清助区長、45世帯・94人)は同町東北端に位置し、風光明媚=び=な金見海岸など自然豊かな地域。元来、地域の支え合い・見守り活動など互助活動が根付いている地域でもあるが、同サロン活動は約15年前、島外在住の出身者が自宅を開放し、高齢者たちの集いの場となったのが始まり。

2013年度には県補助事業「地域支え合い体制整備事業」で集落中心部の空き倉庫を改修。活動拠点を整備したことで男性の参加者も増えた。14年度からは自主地域サロンの運営が集落委託事業に移行し、住民総会での話し合いなど集落ぐるみの活動に発展。毎週水曜日午後1時~同5時のサロンには60歳~96歳の男女が自由に集い、脳トレや体操など季節ごとのさまざまなメニューを取り入れている。

県内初でもある厚労大臣表彰に、元田代表は活動を振り返りながら「スタッフをはじめボランティアの皆さんが奉仕の精神もあった。今後は、もっと若い人たちの協力を得て子どもたちとのふれあいの場も作りたい」。高岡町長は同地区の大自然や集落ぐるみの他行事も高く評価し「世界自然遺産になったとき、金見は集落全体が観光地になるような事業も導入したい」とたたえた。