徳之島でも空中散布

ミカンコミバエ初動防除の「テックス板」空中散布に向かうヘリコプター=27日午前8時すぎ、徳之島空港

ミカンコミバエ初動防除
3日間計画、地上作戦補完

【徳之島】農林水産省植物防疫所は27日、重要病害虫ミカンコミバエの飛来が確認されている徳之島地域にもヘリコプターを投入し、テックス板の空中散布を始めた。飛来虫の産卵繁殖「再侵入・定着」防ぐこれまでの地上作戦を補完する空からの初動防除。対象は畑地隣接の山間部や崖(段丘・渓谷)など約1万5千㌶。29日までの3日間(予備日12月2日まで3日間)の計画で、約3万9千枚を散布する予定。

県大島支庁農政普及課(特殊病害虫係)によると、殺虫剤(誘殺剤)を染み込ませたテックス板(木材繊維板)の1㌶当たりの散布枚数は▽標高300㍍以下が3枚(対象面積約8960㌶)▽同300㍍以上は2枚(面積6100㌶)の割合。

対象エリアは果樹園など農地が隣接する山間部が中心。琉球石灰岩地質を主とした天城町平土野地区以南―伊仙町犬田布―同面縄地区にかけては、山間部から海岸部に縦断する段丘・渓谷部も対象。

空中散布は徳之島空港(天城町)を発着場に、同日午前8時半ごろ第1回フライトを開始。1日3フライトをめどに、ルートは当日の風力や風向など気象条件を勘案して臨機応変に対応するという。

徳之島(緊急防除区域外)でも山間部への空中散布が加わったことに、大島支庁農政普及課特殊病害虫係の堀江宏彰主任研究員(42)は「山にもミカンコミバエの寄主植物があり、再侵入・定着の予防が期待される。今後も国の指示に従って粛々と初動防除など対策を進めたい」と話した。

3町やJAなどで構成する同島ミカンコミバエ等侵入警戒対策本部(事務局・徳之島町農林水産課)ではこれまで、誘殺トラップ増設(計76基に)や国の防除指示に従って誘殺テックス板の設置(3町計1万8320枚)、グアバなど果実の除去(3町計376・2㌔)を実施。対策に当たった延べ人員は1025人=今月18日現在。島内の誘殺トラップへの飛来確認数は今月3日~16日が24匹、17~23日は1匹の計25匹となっている。