障がい者法定雇用

奄美は3機関不足
公的機関は前年半分に 県内民間は過去最高更新

鹿児島労働局は、県内の民間企業や公的機関などでの障がい者雇用状況(2015年6月1日現在)をまとめ公表した。民間企業での雇用は1088社(前年比20社増)の3702人(同58人増)となり、企業数、雇用者数とも過去最高を更新した。障がい者雇用の伸びが続いている。公的機関の方は奄美の場合3機関が不足しているものの、前年(6機関)の半分に減少している。

「障害者の雇用の促進等に関する法律」では、一般の民間企業(常用労働者数50人以上規模)が2・0%、特殊法人2・3%、都道府県教育委員会等2・2%、それ以外(市町村等)は2・3%の障がい者雇用(法定雇用率)を定めている。

県内の状況をみると、法定雇用率が適用される民間企業の実雇用率は2・09%(全国第14位)。前年の2・02ポイントと比べて0・07ポイント高くなり、法定雇用率達成企業の割合は59・0%(全国第10位)と前年の57・8%と比べて1・2ポイント高くなった。

地方公共団体の雇用状況は、法定雇用率2・2%が適用される機関(職員数45・5人以上)の雇用状況をみると、雇用されている障がい者数は279・0人で、実雇用率2・16%、前年に比べ0・1ポイント高くなった。

法定雇用率2・3%が適用される機関(職員数43・5人以上)の雇用状況をみると、雇用されている障がい者数は517・0人で、実雇用率2・33%となっており、前年比0・05ポイント高くなった。

公的機関(県、市町村等)の状況をみると、県の3機関(知事部局、病院局、警察)合計の実雇用率は2・36%(不足数ゼロ)で、法定雇用率2・3%を達成している。

法定雇用率2・2%の県教委の実雇用率は2・22%、前年度(2・10%)を0・12ポイント上回り、法定雇用率を達成、不足数ゼロ(前年は11人)となった。

奄美の市町村では職員採用にあたって障がい者だけを対象にした採用(一般とは別枠)に取り組んでいる自治体があり、不足数の解消につながっている。法定雇用率2・3%未達成の機関は前年の6(市町村4、教育委員会2)から3(奄美市、大和村、知名町)に減少。

不足数でみると奄美市と知名町は1人ずつ、大和村が最も多く2人だった。同村総務企画課は「正職員だけでなく臨時職員も対象になることから採用を検討していきたい。また職員採用にあたっては今後、一般とは別枠の障がい者だけを対象にした採用にも取り組む」としている。

なお、就職を希望する障がい者、あるいは在職中の障がい者が抱える課題に応じて、雇用(国や県等)・福祉の関係機関との連携の下、就業支援担当者と生活支援担当者が協力して、就業・生活面の一体的な支援を行っているのが「障害者就業・生活支援センター」。県内には7カ所にセンターがあり、奄美群島を対象地域にしているのが「あまみ障害者就業・生活支援センター」(奄美市名瀬長浜町・奄美市社会福祉センター4階、電話0997・69・3673)。就職相談▽就職に向けての準備支援▽職場開拓▽職場実習▽就職後の定着支援▽生活支援―に取り組んでいる。