13日から移動規制開始

対象品目 自粛要請から取締まりへ
ミカンコミバエ

奄美大島へのミカンコミバエ侵入に伴い、植物防疫法に基づく緊急防除による移動規制(島外出荷規制)が13日から始まる。生産者や宅配業者などへの周知徹底で、12日まで自粛としていた島外出荷は13日以降、取り締まりへと変わり、植物防疫官による空港や港などでの取り締まりも強化される。また、規制開始に基づく措置として奄美大島5市町村は14日以降、収穫期を迎えたポンカンの廃棄作業を行う予定だ。

移動規制はミバエ種群が寄生している恐れのある果実等の移動を禁止することで、未発生地域へのまん延を防止することが目的。対象品目ごとに設定された移動制限基準日以降、誘殺が確認された地域から半径5㌔以内を特定移動制限区域に指定し、島外出荷を禁止する。区域内で生産された果実などは自家消費や島内流通、加工品用を除き植物防疫官が廃棄命令を行い、県が全量買い上げて廃棄される。

農林水産省はこれまでに4品目の基準日を設けており、ポンカンは9月26日、タンカン10月8日、スモモ2016年2月22日、マンゴー同6月14日としている。基準日が過ぎたポンカン、タンカンについては、特定移動制限区域を設け、範囲は奄美市笠利町の一部を除く奄美大島全域、加計呂麻島、請島、与路島となっている。

廃棄による買い上げは、販売実績を証明する資料が必要。各市町村の検量場所に持ち込まれた果実を検量し、植物防疫官から廃棄命令書が交付され、買い上げ契約、買い上げ額支払いの流れとなる。県は廃棄対象果実のうち、ポンカン、タンカンについては廃棄に伴う買い上げ単価として、販売用の標準価格は1㌔当たりポンカン220円、タンカン280円と決定している。

規制に基づく廃棄作業は各市町村が実施主体となり、廃棄場所も決定。廃棄は奄美市、瀬戸内町が14日、宇検村は15日から始まり、龍郷町、大和村については集荷状況により順次廃棄を進める。

また制限区域外から島外に持ち出す場合は、検査日の5日前までに植物防疫官に申請書を提出する必要がある。植物防疫官が「特定移動制限区域外であること」「出荷箱に侵入防止措置がなされていること」を確認した場合、移動が許可される。

門司植物防疫所名瀬支所は12日まで、移出制限品目について奄美空港や名瀬港で島外への持ち出し自粛を呼びかけていたが、13日からは業務を取り締まりに切り替える。14日から18日まで、群島内の各港や各空港で移動規制開始、移出防止を呼びかける広報活動を強化する。

農水省によると、規制期間は同日から2017年3月31日まで。終了時期は今後の誘殺状況により各市町村単位で見直すとしている。