名瀬小体育館で行われた「日本復帰の日の集い」。参加者による献花
奄美群島が日本復帰して62年目を迎えた25日、奄美市名瀬の名瀬小学校体育館で「日本復帰記念の日の集い」があった。関係者や当時を知る市民、小中高校の児童生徒が参加。参加した児童生徒もそれぞれのぼりを掲げ、日本復帰の歴史を振り返りながら、先人の思いや運動を語り継ぐことを誓った。
この日は関係者含め約400人が参加。天候不良により、会場がおがみ山から同体育館に変更されたものの、「日本復帰の歌」の斉唱や「断食悲願」の朗読、泉一郎さん(83)による講演などがあった。
司会は金久中学校の川井泰成君(2年)と前川早紀さん(同)。朝山毅奄美市長は「先人たちは戦後の混乱の中、同じ日本人でありながら本土と自由に行き来もできず、辛く厳しい生活を送ってきた。その苦しい生活に耐え、思いを一つに復帰運動に取り組んできた。この血のにじむような努力を次の世代へ語り継いでいくことは我々の誇りであり責務。これからも後世に長く語り継がれるよう祈念する」とあいさつした。
「子どもたちに伝える話」では泉さんが、戦後から復帰までの奄美の様子や当時の思いなどを語り、「混乱し、苦労を与えた時代を経て復帰したときの喜びはたとえようもないもの。今でも胸に湧いてくる。そんな歴史や人々の思いをこれからも引き継いでほしい」と呼びかけた。
名瀬小6年生を中心に参加者全員で「断食悲願」を朗読。児童生徒を代表し、屋舞美さん(名瀬中2年)は「今私たちにできることは、先人たちに敬意をはらい、奄美群島日本復帰運動を語り継ぐこと。そして、日本人として生きることへの誇りと自覚を持ち、二度と戦争を起こさないこと。奄美のことをもっと知り、未来の奄美を担う自覚を持とう」と語った。