龍郷町消防団に初のファーストレスポンダー隊

島内では初の結成となった龍郷町消防団ファーストレスポンダー隊

隊員らには一人につき一つずつ、感染防護服などが入ったバッグが配布される

救急隊より先に応急手当
出初式で連携デモンストレーションも

龍郷町消防団ファーストレスポンダー隊(圓山和昭隊長、17人)が4日から始動した。応急手当に関する講習を受けた消防団員らによる組織で、奄美大島では初の結成。隊員らには同日、同町りゅうゆう館で行われた2016年同町消防出初式内で認定書が渡された。

ファーストレスポンダー(FR)は、救急隊が到着するまでの間に有効な応急手当を行う救急初期対応者のこと。同町では心肺停止傷病者などの発生時において、救急隊より先に地元のFR隊が駆け付けることで、AEDの使用を含めた心肺蘇生などの応急手当を実施。救急隊に引き継ぐ体制作りをすることや、地域住民の救命率向上を図ることを目的に同町消防団FR隊を結成した。

FR隊員は消防長認定の応急手当指導員講習を受講し、年2回以上定期講習を受講するなどの条件があり、隊員へは感染防止用グローブやマスク、感染防護服、認定証などが入ったバッグが一人につき一つ配布される。出初式ではFR隊と救急隊の連携デモンストレーションも披露された。

救急隊の現場到着時間は全国平均が約8・5分。同町では平均だと約8分だが、最も遠い秋名方面では15~18分ほどかかるという。大島地区消防組合龍郷分署の圓野剛章救急係長は「目標は3月までに19人、17年度中には30人に隊員を増やしたい。消防団員は各集落にいるので、まずは地元の人にとっても顔のわかる団員がFR隊になることで、町民への応急手当の普及や指導につながれば」と語った。

出初式で行われた伝達式の被表彰者は次の通り。(敬称略)

▽日本消防協会会長表彰=中原輝也(勤続章)、圓和則(同)、町田俊美(同)、泉原正則(同)、前田博仁(同)▽県知事表彰=長井銀四郎(40年勤続章)、永田太輔(10年勤続章)、圓山栄作(同)▽県消防協会総裁表彰=山下和彦(功績章)、久保利幸(同)、箕輪薩摩(同)、中村伝一(精績章)、重信幸喜(同)、龍照和(同)、小林輝夫(同)、榮正光(同)、中村博志(同)▽県消防協会大島支部長表彰=長井修(功績章)、辺木安男(同)、星村昌雄(同)、辺木倉一(同)、中村博志(15年勤続章)、中村伝一(同)▽龍郷町長表彰=箕輪薩摩(20年勤続章)