ミカンコミバエ問題に関する特別委員会の第1回会議を開催。選果場で果樹廃棄の視察も行った
奄美市議会は13日、ミカンコミバエ問題に関する特別委員会(多田義一委員長・委員10人)の初会合を開いた。門司植物防疫所から東正彦・統括植物検疫官が出席し、ミカンコミバエ防除の取り組みや、空港等での移動規制の取り締まりなど現状説明。ミバエの誘殺が島内で最初に確認された後の初動対応のあり方を、委員から指摘された東統括植物検疫官は「初動の防除マニュアルについては検討し直したい」と明言した。
ミカンコミバエ種群の島内への飛来が最初に確認されてから、まん延防止や駆除を目的とした農水省における検討会開催(昨年11月4日)や公表までに、かなりの日数を要したことについて東統括植物検疫官は「いったんは誘殺状況が小康した時期(8月頃)もあり、どの段階で公表するか、なかなか難しい判断だった。ただ公表のあり方は反省すべき点があり、今後、検討していきたい」と強調。「誘殺が確認された時々でやれることは最大限やってきた」「現場での報告が遅かったという事実はないと認識している」とも話した。
このほか沖縄と奄美における通常時のミバエの侵入警戒調査や飛来が確認された際の初動対応については、「基本的には同じ。沖縄と奄美で差はないと理解いただきたい」。侵入経路等については「風で飛んできたと推測しているが、特定にはいたっていない。非常に重要なことと認識しており、あきらめずに分析を続けたい」などと委員質問に答えた。
また東統括植物検疫官は「今の時期が防除のカギ。寄主植物(果実)除去については住民の理解を得ないと進まない。その点の理解と協力をいただきたい」と関係市町村や議会等への周知啓発の協力も呼び掛けた。
委員会ではその後、同市名瀬朝戸の奄美大島選果場でポンカン、タンカンの廃棄状況の視察も行った。同市農林振興課によると12日現在、ポンカン125㌧、タンカン485㌧が廃棄され、作業は順調に進んでいるという。
特別委では今後も農家や小売業、流通業など関係する業界等からも意見聴取を行い、同問題に関する提言書をまとめる方針。