地域連携事業で商品化した黒糖焼酎「島おこし」と生徒代表=15日、徳之島高校総合学科伊仙農場
【徳之島】県立徳之島高校(白石秀逸校長)総合学科・生物生産系列2、3年生たちの地域連携事業「黒糖焼酎プロジェクト」の成果発表会が15日、同校伊仙農場であった。実習で育てたサトウキビで造った黒糖と伊佐農林高の米との純国産原料をコラボさせ、地域産業(㈱奄美大島にしかわ酒造)の連携で製品化にこぎつけた黒糖焼酎『島おこし』がお披露目された。限定2500本を同酒造場で直販する。
同科・生物生産系列の学校設定科目の「サトウキビ学」と「奄美農業学」の地域連携事業の一環。うち黒糖焼酎プロジェクトは「キビ農家を元気に」と約5年前から模索していたもの。地域資源を活用した農業の6次産業化に関心を高め、将来の徳之島農業を担う産業人育成の一助とすることなどが目的。
発表会には同系列2、3年生22人や連携協力した㈱奄美大島にしかわ酒造(徳之島町白井)、旧徳之島農高同窓会代表などが出席。地域と連携したキビ苗の植付け実習から栽培、収穫機実演など一連の取り組み経緯がスライドで紹介された。
実質的に約1年半前に始動したという黒糖焼酎プロジェクトでは、一昨年12月に収穫したキビ6・5㌧を伊仙町内の小型製糖工場の協力で約900㌔の黒糖を製造。だが、水田復活による地場産米の調達のための稲作は鳥害などで不作に。このため伊佐農林高の生徒たちが実習で栽培した米を麹=こうじ=用に調達。それら純国産原料の黒糖焼酎の製造と瓶詰めは㈱奄美大島にしかわ酒造の協力を求めた。
銘柄の「島おこし」とラベルも生徒たちでアイデアを出し合った。3年生の喜多川大地さん(18)は「原料のキビ作りも大変だったが、商品作りで大事なビンやラベルのデザインを試行錯誤。特に苦労したのはネーミング。私たち島の高校生と地域企業のコラボで出来上がった焼酎を飲んで、島おこしに頑張る原動力になればと名付けました」とあいさつ。そして「高校生なのでまだ焼酎は飲めませんが、卒業して成人式で島に帰った時に『島おこし』で乾杯して、島おこしのできる大人を目指します」とにっこり。
限定販売の「島おこし」(900㍉㍑)は税込み1000円。問い合わせ㈱奄美大島にしかわ酒造(電話0997‐82‐1650)。