伊仙町・離島版CCRC

民間代表を交え「伊仙町生涯活躍のまち(離島版CCRC)構想検討会」設立会=15日、同町中央公民館

「お試し移住」計画も「生涯活躍のまち」
構想検討委を設置

【徳之島】大都市圏に暮らす中高年層などの移住を促して少子高齢化、人口減少対策の「離島版CCRC」構想を進める伊仙町は15日、同基本計画の策定に向けて、民間各層代表を交えた「町生涯活躍のまち(離島版CCRC)構想検討会」(幸多実委員長、15委員)を設置。3月末までの基本計画策定、町「まち・ひと・しごと創生」総合戦略への反映を目指し、提言など構想を取りまとめていく。

同町は、人口減少対策や地域活性化を目指す国の「離島版CCRCの推進による地方創生事業(地方創生先行型交付金)」(4974万2千円)を獲得。東京圏など大都会に暮らす定年前後の中高年層など移住希望者を受け入れる「生涯活躍のまち(離島版CCRC)」構想を推進中。検討委員らの意見も反映させていくのが目的。

大久保明町長はあいさつで「『長寿・子宝の島』には高齢者と子どもを守っていく地域力が。(介護予防)地域サロン活動も県内で最も盛ん。(2019年度まで)5年間で250人の移住者を迎えるための〝お試し期間″の計画も立てた。(伊仙町の)離島版CCRCは国も期待しており、成功させて日本のモデルに」。幸多委員長(町社会福祉協議会会長)も「国も伊仙町に期待。同CCRCを熟知し共通認識で策定へ」と協力を要請。副委員長には阿権集落の米山寿八郎区長を選出した。

検討会では、「町総合戦略基本目標」①安定した雇用の創出(農業振興・6次産業取り組み・企業誘致など)②出生率日本一の伊仙町ならではの結婚・出産・子育ての環境づくり③時代に合った地域をつくることで、伊仙町への人の流れをつくり、長寿世界一を育んだ安心な暮らしを守る(観光振興・小学校区など小さな拠点のまちづくり・地域包括ケア)―など「伊仙町版生涯活躍のまち」づくりへの概要を解説。

策定作業受託業者の専門家は「5年間の移住計画は250人だが〝お試し移住″を含めその10倍は来島することに。そして必ず起きるテーマが『介護が必要になったときどうするか?』だが、伊仙町の場合、既に『ほーらい館』(健康増進施設、地域包括ケアシステムの拠点)もある。約10年間やってきたことを全国に提供するだけだ」とも強調。意見交換では民間活力による空き家活用策などに質問もあった。