高卒者の地元定着促進へ

奄美高校で行われた第1回「新規卒業者の地元定着促進のための意見交換会」

奄高と法人会
環境づくりへ意見交換

 奄美市名瀬の県立奄美高校(満丸浩校長)と奄美大島法人会(有村忠洋会長)による2015年度「第1回新規卒業者の地元定着促進のための意見交換会」が28日、同校会議室であった。地元雇用促進のために学校と地元企業がそれぞれ出来ることについて意見を交換。「生徒側の考えも聞いてみたい」などの意見もあり、有村会長らは「今後もこうした場を継続していけたら」と語った。

 同校では就職希望者の9割近くが地元を離れ、関東や関西などに就職している現状から、地元の高校として奄美に貢献できる人材育成を目指している。同会では奄美大島法人会の協力を得て、新規卒業者の地元定着促進に向けた意見交換を目的に初めて開催。同校の満丸校長を始め、学校関係者では各学科主任、進路主任が参加。法人会でも有村会長など8人が参加した。

 同校卒業生の動向(13~15年)によると、最も就職が多い機械電気科(就職者73・2%)でも、地元への就職は5・4%とわずか。全学科の就職者全体をみても地元就職者は13・9%という。

 地元雇用促進について企業が求める人材と新規採用者の現状に触れながら、「地元に住んで働きたいと思う人は、その街が好きだからなのでは。しかし、奄美に住んでいても奄美のことを知らない子は多い。奄美に住みたい、働きたいと思う子への教育と環境づくりが必要」と指摘。一方で、進路選択として、「奄美では土木関係の学校がないため、建築関係で働こうと思う子が少ないのでは」という意見もあった。

 また、進路指導の面では、「奄美が好きという子は多いが、いつかは島に戻りたいけれど、一度は島外に出たいという生徒も多い。保護者もそこまで島内就職にこだわる人は少ない」という説明も。法人会のメンバーからは「生徒たちがどのような仕事をしてみたいか、どんなことに挑戦したいかなど、生徒の話も聞いてみたい」という意見も挙がった。

 有村会長は「今回、こうした場を設けることが出来たのはよかった。今後も意見交換を重ねて、地元雇用促進に向けたノウハウを作っていきたい」と話した。