世界自然遺産候補地各種会議

奄美大島で行われた奄美・琉球世界自然遺産候補地地域連絡会議奄美大島部会の第2回設立準備会議と、奄美群島世界自然遺産候補地保全活用検討会の第3回自然利用部会の合同会議

地域別行動計画案など提示
今月開催 科学委員会に提出へ

 奄美・琉球世界自然遺産候補地地域連絡会議奄美大島・徳之島部会の第2回設立準備会議と奄美群島世界自然遺産候補地保全・活用検討会の第3回自然利用部会の合同会議、同検討会の森林・公共事業部会(県主催)が4日と5日、徳之島と奄美大島であった。準備会議では、県が提出した推薦地の管理計画地域別行動計画案をおおむね承認。今月行われる奄美・琉球世界自然遺産候補地科学委員会に提出する予定という。

 準備会では奄美大島の地域行動計画案を提示。これまでの意見をふまえて▽保護制度の適切な運用▽外来生物による影響の排除・軽減▽奄美世界自然遺産トレイル(仮称)の整備―など6項目32事業について説明し、参加した地元自治体や保護団体らから意見を求めた。県自然保護課の長田啓課長は「まだ関係機関との調整を終えたわけではないが、(参加した関係者からは)おおむね了承してもらえたものと思っている」と話しており、同計画は今月沖縄県で予定している奄美・琉球世界自然遺産候補地科学委員会に提出されるという。

 同時開催となった奄美大島自然利用部会では奄美群島持続的観光マスタープランと施設整備基本構想、奄美世界自然遺産トレイル(仮称)の基本構想などについてそれぞれ素案を提出。参加者からは自然保護と観光対応について「盗掘・盗採をする人はどんな場合でも実行する。観光利用などとは別問題として対策を考えるべき」という指摘も。また、湯湾岳など多くの人が訪れる場所について「115年ぶりの雪でめったにないことだが湯湾岳が渋滞となった。多くの人が来ることへの対策も必要では。どこまで観光客が入ることを許すのか」などの意見もあった。

 続いて行われた森林・公共事業部会では遺産区域の緩衝機能強化と公共事業に関わる環境配慮指針についてそれぞれ検討。公共事業では▽ロードキルのおそれがある動物▽ウミガメ産卵地▽希少・固有植物の生育地―など細かく項目を設定したチェックシート案を示し、2016年度から一部の公共事業(道路や河川などが対象)を抽出して、試行予定としている。