東京で旅行説明会・個別相談会

個別相談会では、各社それぞれが各島へのアクセスや客層に合わせたプランを相談。島ごとに魅力の異なる奄美群島への関心を高めていた

個別相談会2
「臭みもなく、美味しかった」――初めて食べる山羊刺にも多くの参加者が舌鼓。珍しい食材のランチは大好評

多彩な魅力アピール シマッチュだからこそ知る「ココだけのハナシ」
群島観光物産協 奄美「体感」できる場提供

 【東京】奄美群島の魅力を知ってもらい、2016年度の旅行商品造成などに生かしてもらおうと(一社)奄美群島観光物産協会(代表理事・朝山毅奄美市長)は23日、KKRホテル東京(千代田区大手町1)で旅行会社などを対象に「奄美群島旅行説明会・個別相談会」を実施した。今回は各島の魅力をアピールするプレゼンテーションのほか、島唄を楽しみながら島の食材を使ったランチを用意するなど、奄美を「体感」できる場を提供。首都圏で十分な魅力が知られていない奄美を参加者に知ってもらうことで、新たなツアーの企画などに結びつくことが期待されている。

 同事業は国交省の「奄美群島振興交付金」を活用したもので、開催は昨年に続き2回目。今回は旅行会社22社、出版などマスコミ関連会社が12社、航空会社などキャリア3社から約50人が参加した。

 今回の各島のプレゼンは「奄美の島々 ココだけのハナシ」を共通テーマに、それぞれの島を代表する「島コーディネーター」がシマッチュだからこそ知る島の魅力をアピールした。

 奄美大島は、マングローブ、金作原原生林、鶏飯をはじめとした珍しい食、泥染め、海や森に棲む希少な動植物など「知れば知るほど面白い」島の楽しみ方を紹介。対照的に、加計呂麻島、請島、与路島は「何もないからこそある魅力」として、島の手付かずの自然をアピールした。喜界島は隆起サンゴの島という特徴がゴマやサトウキビなどの品質を高めていることなど説明。10月にはゴマの束が道端に並んで干されているリアルセサミストリートや、世界最大のハマサンゴなどを見る事ができるダイビングスポットとしての魅力、朗らかな島民性と、日本の歴史を変える可能性もある近年新たに見つかった遺跡などを紹介した。

 徳之島は「命と命がつながる島」として、闘牛と闘牛にかかわる人たちの魅力を中心に、子宝の島やトライアスロンの魅力や、雨が降った後にだけ出現する滝など島のダイナミックな自然を紹介。また沖永良部島はエラブユリ(テッポウユリ)が116年の歴史ある鹿児島県のブランドであることや、洞窟を探検するケイビングやクジラを目の当たりにできるホエールスイム、光に集る魚の幼魚を撮影するライトアップナイトダイビングなど新たな楽しみ方を紹介。与論島は「あなたと行きたい島がある 君に見せたい海がある」として、潮の干満によって出現する百合ヶ浜を中心に島の美しい風景や与論献捧の楽しみ方などを紹介した。

 旅の大きな楽しみを占める島のグルメを知ってもらうことで商品造成の参考にしてもらおうと、今回初めての試みとして奄美の特産品を使ったランチを提供。ゲストとして登場した牧岡奈美さんの島唄が明るく響く中、テーブルにはクロマグロやアオダイの刺身、山羊刺や車エビのてんぷら、ソデイカソーセージ、イノシシ鍋、ムラサキイカ一夜干し、タンカン、バニラアイスごま油添えなどがずらり。参加者は写真撮影をしながら、初めて食べる料理を味わい、見よう見まねで島唄のリズムを楽しむなど、島の空気を体感した。

 日頃シニアを対象としたツアーを企画しているという大手旅行会社からの参加者は、景色を楽しめる旅をイメージし、ピーク時に4万球12万輪のエラブユリが咲くと紹介された沖永良部に注目。また、海外を中心にダイビングツアーの企画会社から参加した女性は「世界最大のハマサンゴがある喜界島の海について初めて知った」と話し「社に戻ったら早速宿などを調べて、すぐにもツアーを立ち上げたい」と笑顔。一方で、プレゼンについて「たくさんある魅力の中からピックアップして、それぞれの島一押しのものを深く紹介してもらった方が魅力が伝わる」といった意見もあった。

 同協会事務局の松元英雄統括リーダーは「島を紹介するだけでなく、島唄や自慢の島の食材を楽しんでもらうことで、島の一端を体感してもらえたのでは」と手応えを感じた様子。多くの参加者が、今回の説明会で得た情報を商品作りに役立てたいと語っており、奄美群島への新たな観光客の掘り起こしにも期待がかかる。