久保さんの音色はクラシックファンを魅了した
後進指導にも意欲
世界的バイオリニスト 久保陽子さん
世界的バイオリニストで奄美大島出身の久保陽子さん(72)が5日、奄美市名瀬浦上町のカトリック浦上教会でミニコンサートを開いた。駆けつけたクラシックファンや家族連れは、久保さんの奏でるバイオリンの音色に酔いしれた。
久保さんは、小学校低学年の時に名瀬から上京。1962年、桐朋女子高等学校音楽科卒業と同時にチャイコフスキー国際コンクール第3位入賞後、クルチ国際コンクール優勝など欧州コンクールで実力を発揮。日本を代表するバイオリニストの一人。
奄美でのミニコンサートは3回目となる今回、100人以上の聴衆を前に愛用のバイオリンで名曲を次々と披露した。
オープニングの「アベマリア」を皮切りに、「バッハ無伴奏パルティータ3番」「パガニーニ練習曲24曲のうち5、13、14、24番」「バッハシャコンヌパルティータ第2番」を優雅に奏で、アンコールで島唄「よいすら節」のメロディーを弾くと、来場者から大きな拍手が送られた。
多忙な中での来島に久保さんは「離島では本格的なクラシックに触れる機会は少ないと思う。(演奏会開催で)少しでも地元貢献ができれば」と笑みを見せた。
6日は、同市名瀬港町の「カフェマンディ」で特別指導会を実施。参加した奄美オーケストラ(城昭久代表)のバイオリン、ビオラパートらは技術を学んだ。