奄美の思い出を振り返りながら作品を鑑賞する「アートクラブかごっま」のメンバーら
奄美の人、自然、創作の原動力に
霧島市のホテル京セラで
【鹿児島】霧島市を拠点に活動している「アートクラブかごっま」(米田安希会長)が、昨年8月に奄美で交流した際の題材を元に制作した作品の交流報告展が、6日から同市のホテル京セラ3階ルビーコートで開催されている。
元高校美術教師だった米田会長が昨年5月に同クラブを立ち上げた。メンバー21人で8月8日から2泊3日で奄美を訪れ、名瀬美術協会(久保井博彦会長)のメンバーらと合同作品展や田中一村研究、親睦会などで交流を深めた。
交流展では、島内各地を回ってスケッチした題材を元に、制作された油絵や水彩画など、41点が展示されている。田中一村の生家を油絵で描いた本田廣子さんは「自分の住んでいる横川にある旧家と似たような雰囲気があって、惹かれるものがあった」と言う。吉元かつこさんは、あやまる岬で見た大きな岩礁を力強く油絵で描いた。「大きさに感動した。本土と違う虹色の光の感覚を出すのにこだわった。8号のサイズだけど、120号の絵を描くのと同じぐらいパワーが要った」。
鵜木ひろ子さんの油絵「繋ぐ」は、あやまる岬で見た植物や砂浜を題材に抽象画を描いた。親睦会に参加し、一緒になって踊った六調が忘れられないと言う。「分け隔てなく付き合ってくれた奄美の人たちに心が震えた」と感激し「田中一村になりたい」とほれ込んだ。
かつて大島工業高校に5年間赴任したこともある米田会長は「空気、海、人…絵に描きたいとかきたてるものが奄美にはある。今回初めて奄美を訪れた人も多く、そのことを再認識させられた」と感想を話していた。交流展は25日まで開催されている。
(政純一郎)