「シゴトを創るゼミ」成果報告会

様々なビジネスモデルを発表した成果発表会

起業へ課題など再確認
中長期的視点で実践を

 2015年度奄キャン創出事業の地域起業家人材育成事業「奄美でシゴトを創るゼミ」(奄美群島広域事務組合主催)の成果報告会が12日、奄美市名瀬の奄美会館であった。ゼミ生4人はこれまでの座学研修で培った成果を発表。近未来の事業化や起業の実現に向け、具体的な目標と取り組むべき課題を再認識した。

 同事業は奄美群島振興開発交付金を活用したソフト事業で、2014~16年度の事業期間で新サービスや雇用機会の創出が目的。今回は後期講座の受講生など4人が発表した。

 南琴乃さんは、自身が経験している介護問題を題材に発表。現在の介護制度では、要介護者への支援がある一方、介護する側への公的・社会的支援がなく、離職による経済困窮も懸念されることから、自宅で介護しながらできる仕事を模索。

 ハイビスカスの葉には高い粘性と保湿性を有し、活性酸素消去やメラニン色素生成抑制機能に優れる点に着目して、化粧品原料の生産・販売の可能性について言及。南さんは「大島紬の機織りをしていた時代のように、自宅で働きながら家族の世話をする生活様式が定着させられれば」と期待を込めた。

 昨年宇検村に移住し、地域おこし協力隊として活動する重田朱美さんは、奄美産コーヒーのビジネスモデルを紹介。過去に村内でコーヒーを栽培していたことから、コーヒー栽培の北限とされる奄美地域でコーヒー豆の生産復活とともに、▽里親コーヒープロジェクト▽植樹によるタイムカプセルコーヒー▽青空コーヒー教室―などで、ファンづくりに取り組むビジョンを説明した。

 最後にゼミの講師から、「ビジネスの物語性を伝えることで、賛同者を増やしてほしい」「中長期的な視点で起業を考え、今できることを実践すること」などとアドバイスを送った。