「前川橋」渡り初め

供用開始を記念して渡り初めが行われた「前川橋」

龍郷町戸口 災害流失から5年

 龍郷町が同町戸口集落で整備を進めてきた、車両が通行できない人道橋「前川橋」(長さ39・2㍍、幅員2㍍)の渡り初め式が12日、同橋前で行われた。徳田康光町長や町関係者、住民らが渡り初めを行い、2010年奄美豪雨の増水で流失した橋の新たな完成を祝った。

 同町地域整備課によると、以前、戸口川にかかっていた同橋は地区内の生活道として1970年ごろ設置。対岸には町営住宅、墓地があるため、流失後は下流の橋に迂回して通学や墓参りをするなど支障をきたしていた。

 流失から2年後、町は地域の強い要望を受け橋梁新設事業(総事業費1億4819万円)をスタート。流失から5年経った今年度、完成した。

 戸口集落は奄美豪雨災害、翌年の奄美大島北部豪雨で近くを流れる戸口川と大美川の氾濫により、床上浸水などの被害が出た。これを踏まえ、徳田町長は「不便を強いられていた住民にとって橋の完成は大きな喜び。引き続き防災意識を持ち、日頃の備えを願う」とあいさつ。

 橋の住民利用が多い、中戸口集落(120世帯)の植田敏博区長は「高齢者や子どもたちが安心して渡れることに感謝したい」と喜びを表した。

 渡り初めには戸口小学校の6年児童4人を先頭に、約80人が参加。同小6年・廣あすかさんは「便利になるのでよかった」、同・福山来花さんは「壊れた橋が出来てうれしい」と話した。