多くの会場で地元の魅力発信とガイド育成に関する意見があり、地元でも解決に向け各種事業を行っている(資料写真)
県大島支庁総務企画課は11日、2015年度に奄美群島各地で開催した「奄美の観光を語ろう会」で民間出席者から出された意見を公表した。奄美群島振興交付金を活用した航路・航空路運賃軽減事業やバニラ・エア就航などで、交流人口拡大を感じる一方、ガイド育成や観光に対する住民の意識啓発、地元素材を活用した観光商品造成など、今後への課題も上がっている。
裾野が広い観光関連産業への取り組みには、行政だけでなく民間などの協力も不可欠なことから、「~語ろう会」は意見交換の場の創設を目的に、2014年度から開催。同課によると、他の島の意見や住民の観光振興に対する機運を醸成するため、各会場の意見を公表しており、「今回出された意見は、県や各市町村で事業化する際のヒントになる」としている。
各会場の主な意見は次の通り。
【奄美大島南部の観光を語ろう会】
・ガイドが利益を享受できるようになれば、ガイドが生業となり産業化する
・島の文化が観光資源になるという意識が薄い。マナーが悪いところもあり、マナー意識を持
つことも必要
【同島北部の観光を語ろう会】
・世界自然遺産で奄美の何を見せるか、ルートをいくつ作るか。人々の日常生活を見せる工夫
が必要
・島から本土向けの情報を発信し、招へい事業などで商品造成してもらうような、地道な作業
の繰り返しが重要
【喜界島の観光を語ろう会】
・土日に運航していない船便の運航見直し
・群島住民向けの運賃助成だけでなく、観光客にも(住民並みの)助成が必要
【徳之島の観光を語ろう会】
・今後の維持管理を想定した施設整備計画
・自然遺産登録と農業の両立
・徳之島の統一したホームページ、スローガンの整備
【沖永良部島の観光を語ろう会】
・ガイド育成し、サービスを通じた満足度向上
・和泊、知名両町連携による観光支援
・商工会や住民と連携したリピーター対策
【与論島の観光を語ろう会】
・マリンレジャーができない時期の対応
・海だけではない与論島の文化を大事にし、楽しみ を伝 えることが魅力になる
・(観光における)与論の立ち位置、他ではできない ポジショニングの整理