県高校就職問題会議

離職者対策などについても話し合われた県高校就職問題検討会議

高校生内定率99・4% 平成以降2番目の高水準
離職者対策も課題に「卒業生の追跡調査を」

 【鹿児島】鹿児島労働局(江原由明局長)は26日、今年3月の高校新卒者の就職内定率を公表した。内定率は99・4%で、平成以降では1990年度の99・5%に続く2番目の高水準だった。労働局と県、学校関係者、経済団体などで新卒者の就職支援などについて話し合う県高校就職問題検討会議で明らかになった。

 労働局の発表によると今年3月末時点での高卒者の求職者は4075人で内定者数は4050人。内定率99・4%は昨年同時期に比べて0・3%上昇しており、6年連続の上昇傾向だった。このうち県内就職者は2100人で、県外は1950人。産業別では製造業1076人(昨年度859人)、卸売業・小売業689人(同608人)などが伸びている。内定率向上の要因について、労働局は、企業に対して高校生の求人枠の確保や求人票の早期提出を要望したことや、各機関同士の連携が功を奏したと分析している。

 会議では、高卒者の離職問題なども話題になった。高卒者が3年以内に離職する割合は全国平均で約40%、鹿児島県は約47%。鹿児島が全国平均より高い理由について、県高校教育課の前田光久課長は「大企業ほど離職は少ないという。鹿児島は9割が中小企業なのでその影響もあるのではないか」と分析。県経営者協会の田所泰博専務理事は「福祉関係で辞めていく人は、賃金ではなく労働条件が悪いからという話を聞く。なぜ離職者が多いのか具体的な理由が分かれば、経営者も対応を考えられる」と要望した。

 鹿児島工業高の野中久光校長は「工業関係は7、8割が県外就職。卒業者の追跡調査をして傾向を分析する必要がある」と提案。鹿屋農高の長雅彦校長は「希望通りの職種に就けた生徒は離職も少ない。地元を支える人材の供給源になれるような教育を考えたい」と話していた。
(政純一郎)