町内で捕獲された金ハブに驚く参加者たち
2016年度「大島支庁世界自然遺産セミナーおよびハブ咬傷予防対策講習会」(大島支庁主催)が26日、瀬戸内事務所であった。今年度同事務所に赴任してきた県職員らが参加。奄美の自然や、世界自然遺産登録の進捗状況などの説明を受けたほか、活動が活発になる季節を迎えるハブへの対応・対策について学んだ。
同セミナーおよび講習会は、毎年県職員を対象に実施。奄美大島や徳之島に新しく赴任してきた県職員や世界自然遺産、希少野生生物、イヌ・ネコ、エコツーリズムなどの業務に従事する市町村職員が対象。18日には大島支庁会場でも行われた。
世界自然遺産セミナーでは、奄美の自然の希少性や特徴などを紹介し、「世界自然遺産登録の一番の目的は自然保護。その担保措置のための国立公園化に向けて取り組んでいる」と登録に向けた現状を説明。課題として▽照葉樹林の再生などによる緩衝機能の強化▽自然に配慮した公共事業▽観光利用増大に関する予測と適正方策―などを挙げた。
ハブ咬傷予防対策講習では、実際に瀬戸内町で捕獲されたばかりの金ハブを用意し、生態や毒吸出器の使い方、咬まれた時の対応などについて説明した。セミナーと講習会に参加した横山裕子さん(22)は「奄美は素晴らしい自然と生態系があるということを学ぶことが出来た。これからしっかり勉強して、伝えていきたい。ハブについても、間近で咬みつく仕草を見て、改めて危険だと思った」。林ゆかりさん(41)は「奄美には旅行では来たことがあったけれど、住んでみて改めて自然の豊さを知り、世界自然遺産に登録目指すくらいというのを実感した。ハブの脅威を間近で見て、地域のみなさんがこうして自然と共存してきたのだということが分かった」とそれぞれ話した。