追い込んだイソマグロをギャフや素手で捕まえていった=和泊町=
迫力ある伝統漁法に興奮
和泊町
【沖永良部】沖永良部の伝統漁法「マハダグムイ」(おきのえらぶ島観光協会主催)が5日、和泊町喜美留集落の海岸であった。地元住民や観光客など800人以上が集まり、迫力のある漁を見物した。
方言で「マハダ」はイソマグロ、「グムイ」は入り江を意味する。後継者不足などで近年見られなくなった漁法を観光メニューとして3年前に復活した。
午前9時ごろ、潮が引き始め海面からリーフが姿を現した。漁業者が、沖合からイソマグロを入り江に追い込み出口を網でふさぎ、鉤の付いたギャフや素手で一匹ずつ捕まえていった。
体長50㌢から1㍍を超すイソマグロが水しぶきを上げると参加者から歓声が上がり、子どもたちは陸に上げられたイソマグロを両手で持ち記念撮影を楽しんだ。
初めてマハダムグイを見た三島愛未さん(9)は「すこし怖かったけど、魚の大きさに驚いた」。母親の美加さん(35)は「知ってはいたが、実際に見てすごい迫力。短時間で追い込んでいく漁師の動きに感心した」。
同協会の前登志朗副会長は「漁師のおかげで大漁だった。天気と海の状況に恵まれ、多くの人に伝統漁法を楽しんでもらえてうれしい」と話した。
取れたイソマグロは、その場で刺身にして参加者に振る舞われた。