三越が徳之島と組む初のギフト商品登場

「自然豊かで美しい徳之島。私ども自慢の食材でここを込めてすべて手作りしました」とPRする高岡秀規町長と「奄美諸島の観光と産業をアピールし、橋渡しを担う島興し応援隊です」と大島紬を着てPRする髙杉文子奄美海援隊㈱企画課長=東京都中央区日本橋三越本店で

全国に贈る「太陽の恵み」
ジェラートとソルベセット

 【東京】徳之島の味をぜひ全国の皆さんへ――。13日、東京・日本橋の三越日本橋本店で「お中元インターネット承りスタートセレモニー」が開催され、徳之島町の高岡秀規町長が、特産品を使用したゼリーとジェラートのPRに笑顔を振りまいていた。

 日本を代表する老舗百貨店のお中元商戦開始を告げるとあって、会場には100人規模の報道陣が押し寄せた。

 アサヒビールのイメージガール柚木渚さんや、伊勢志摩サミットで注目される三重県の鈴木英敬知事らが参加した大きなイベント。それぞれイチオシの商品を説明する中で、同じく特別ゲストとして高岡町長も堂々の登場となった。奄美からこうした全国的な催しに参加するのは、異例。たくさんのカメラの放列にやや緊張した表情の町長は、「太陽の恵み、自然豊かで長寿の島である奄美だけの材料で作られたゼリーとアイスは、味も健康にもお薦めです」とマイクに言葉を発した。前日夜に上京、この日朝8時に日本橋に到着し、着付けしセレモニーに備えた高岡町長は、母親が大事にしまっておいたという父親が着ていた大島紬で臨席。出演者の中でも、ひときわ大きな印象を与えていたようだった。

 続いて行われた試食説明会では、リラックスした表情に。「長寿の島、子宝の島、そして世界自然遺産登録を目指す徳之島からやって来ました。テーマは健康です。サトウキビを自然ろ過した黒蜜を使用したアイスクリーム。ジェラートでタンカンの皮を使用する際には、苦味を抑えるために手作業で製作した」と、およそ1年間かけて、商品化したという裏話も披露していた。

 一方、高岡町長と共に、奄美海援隊としてPRを務めた高杉文子さんは、山口県出身で現在は東京在住。「大島紬はめったに着られないので、いい体験をさせていただきました。これを機に奄美群島全体のPRができたらと思います」と熱く語った。

 また、「シマアザミのアイスクリームは、とてもお薦めです。シマアザミはポリフェノールがレタスの6倍で体にもいい。抹茶のような味わいは格別です」と話し、「ゼリーは、グラスに移して見た目でも楽しめますよ。飲むゼリーとしてもおもしろいです」と目でも舌でも健康になれる奄美の味わいを強調していた。

 また、数回徳之島を訪れ、「徳之島町総合加工センターみのり館」での食品開発を行った㈱三越伊勢丹の食品総括部付(ギフト担当)毎熊圭一郎マネージャーは「本社が個別の島と組んでギフト開発したのは初めての試み。徳之島の素晴らしい島の食材に感動しました。無茶をしないで、限定品として大事に育て、完売できるといいですね」とほれ込む。

 製品の全てが徳之島の材料で作られているとあって、大量生産は難しくゼリーは2千セット、アイスは3千セットの限定。ネットでは13日から受付が始まり、各店舗お中元ギフトセンターでは6月1日から受付が始まる予定だ。
(取材・高田賢一、永二優子)
 商品特徴
 「太陽の恵み」のギフト商品で、三越限定の徳之島ジェラート&ソルベセットは4860円。徳之島で製造されているラム酒の「ルリカケス」を用いたラムレーズンや抹茶のような風味のシマアザミのほか、マンゴーとドラゴンフルーツのコラボ、黒糖、そしてショウガなど、自慢の素材をふんだんに使用したジェラート5種とソルベ(シャーベットのフランス語)2種の詰め合わせ。おしゃれでこの夏のギフトにお薦め品となっている。