徳之島さとうきび生産振興大会・感謝デー

徳之島さとうきび生産振興大会(優秀農家表彰)=15日、徳之島町文化会館

単収向上に構造的課題
優秀農家表彰も

 【徳之島】徳之島さとうきび生産振興大会と製糖終了感謝デー(同島さとうきび生産対策本部・南西糖業㈱主催)が15日午後、徳之島町文化会館であった。4期連続不作から回復傾向となった2015/16年期実績(3町計3727㌶・16万9195㌧、10㌃平均単収4・54㌧)を振り返り、単収向上対策など課題について共有。優秀農家の表彰や講演会、余興などで交流した。

 3町の生産農家や関係機関・団体代表ら約300人が参加した。生産対策本部長の高岡秀規徳之島町長は「生産量回復の兆しがあるが今後は20万㌧、単収5㌧以上の確保が必要。約10年間据え置きのキビ価格の向上取り組みも必要。基幹作物キビの重要性を再認識して欲しい」。宝正巳・県大島支庁農政普及課長は、単収向上を課題に挙げ、①土づくり②適期管理?補植④病害虫防除?徳之島ダムの水を活用した畑地かんがいの徹底推進―などを強調した。

 続いて、今年創立50周年(5月7日)の節目を迎えた南西糖業㈱の田村順一代表取締役社長が今期製糖経過を報告。キビ価引き上げ・増産ブームの躍進期(1974~89年)、平均単収7・5㌧の〝黄金期〟など半世紀を回顧しつつ、今期は「大きな気象災害がないなか、単収減が懸念され、構造的な問題がある」とも指摘。同社増産計画の3要素に①4000㌶②単収向上(6㌧以上)?20万㌧確保による2工場維持なども示し協力を求めた。

 表彰に続き、関係機関・団体代表が「メリクローン苗の種苗活用と一芽苗の補植活用」と「梅雨明け後の茎伸長抑制とかん水効果」で講演。「さとうきびの増産で経済の活性化を図ろう」など5項目の大会スローガンを宣言。余興や抽選会の感謝デーに移った。

 表彰は次の通り。(敬称略)
【優秀農家】稲義雄(天城町浅間)、久保辰巳(同町兼久)、林栄作(同町瀬滝)、田島廣司(伊仙町喜念)、美島拓也(同町糸木名)、登山光徳(徳之島町轟木)、保安信(同町亀徳)、㈲南国パワー(同町徳和瀬)
【南西糖業特別表彰】 アグリ嶺山(徳之島町母間、嶺山栄二郎代表)