「主人は、私のこと好きなんだと思います。笑っていればいい、楽しく仕事しているのがいいと思ってくれていて、仕事を辞めろと言われたことはないんです」と、さらりとのろける江浪まつみさん=東京都港区六本木の東京ミッドタウンカンファレンスルームにて
【東京】日本経済新聞社、日経BP社は女性の活躍推進を応援する日経ウーマノミクス・プロジェクトの一環として今年で3回目となる「WOMAN EXSPO TOKYO 2016」を21、22の両日に東京ミッドタウンホール&カンファレンスルームで開催。21日に開催された「女性リーダーたちに学ぶ幸せなキャリアの法則~女性がキャリアを切り拓くために今学ぶべきこと」の座談会には4人の女性リーダーが登壇。中でも奄美出身の江浪まつみさん(54)=トランスコスモス㈱BPOサービス統括事業推進本部・プログラムマネジメント推進部部長=は白大島を着て登場、ひときわ目をひいていた。会場は立ち見客も出るほどの盛況ぶりで229人が女性リーダーたちの話に耳を傾けていた。
同会は、司会進行を金澤悦子さん(はぴきゃり㈱代表取締役)が務め、ターニングポイントについて問われた江浪さんは、子どもが3歳のときに阪神大震災に見舞われ、勤務先の会社が撤退。仕事に自信があったものの転職先がなかなか決まらない中、トランスコスモスを紹介され、面接を受けた。そこで、女性執行役員が「子どもがいたって結果が出ればいい」と同社に採用されたことがターニングポイントになったことを紹介。
子どもを保育園に預け、毎日がセンソウ状態で時間がない中、仕事のやり方を「自分しかできないことを今やること」に変えたという。時間短縮のために子どもには明日着る服を着せて寝かせてしまい、効率主義になっていたと笑わせた。
また、当時は出張が多く、小学校では父子家庭と思われていたがご主人に「仕事を辞めろ」と言われたこともなく、子どもはたくましく育ったと語った。
また、大きなプロジェクトが終了した際に役員室に呼ばれた江浪さんは、意気揚々とむかったものの「『会社・組織としてよかったね』と言われないとうれしくないね」との役員の一言で自分勝手に仕事をしていたことを反省、「目からうろこだった」と、自らの失敗も披露した。
さらには多くの経営者たちと仕事を重ねていく中で「マネージャーになりなさい」と薦められ、肩書き一つで会話ができ、話が進むことも理解できるようになったことや、あらゆる年代で優先順位が違うことを語り、「そのときに重要なものをやりきっていけばいい」と会場の女性たちにアドバイスも。
今後は「チャレンジする心を持ち続け、一人ひとりが輝いていけるようにつとめたい」と力強く締め切った。
来場者の一人で、トランスコスモス社で研修中の小林しほりさん(23)は、「優先順位のことや何事にもチャレンジすることが大事だという話はとても参考になった」と江浪さんへの感想を述べた。