防災担当者が来年度導入される防災情報システムについて学んだ
名瀬測候所防災気象連絡会(会長・森実英夫所長、会員29機関)は30日、奄美市名瀬のAiAIひろば会議室で2016年度総会を開いた。17年度から提供される警報級の大雨と暴風の情報システム活用について同所職員の講話があり、出席した会員機関の防災担当者は連携した防災対応を確認した。
同会は県や奄美大島の自治体、海保、消防、関係事業所で構成。この日は約50人が出席した。
気象庁が来年度出水期から導入する防災情報システムについて、室谷宏一予報官が説明。それによると広島市で昨年起きた土砂災害を教訓に、夜間発表された土砂災害情報のあり方を見直し。警報級の現象が発生する可能性の場合、数日前でも積極的な情報発表が盛り込まれた。
特に大雨については「記録的短時間大雨情報を最大30分早く発表」(今年9月から実施)「特別警報相当は『50年に一度の記録的な大雨』」と危機感を伝える内容にするほか、画面上の表示も、▽大雨の可能性を2段階(高、中)で周知▽3~5日先の予報を提供▽危険度が高い時間帯を色分け―などわかりやすくなる。
室谷予報官は「危険の切迫度を住民が認識し、早めの避難行動を促すもの。天候の急変など不意打ちを防ぐ狙いもあり、防災に役立ててほしい」と活用を呼びかけた
黒田将司技術専門官は奄美地方での地震による津波の可能性を解説。太平洋沖合を震源とする海溝型地震では、喜界島と奄美大島の被害が高いことを指摘し、緊急地震速報後の迅速な高所避難を求めた。
出席者を前に森実会長は「地震など自然災害はいつ発生するか予測は難しい。日頃の備えが大切」と述べ、熊本地震などを踏まえ、防災意識の向上を訴えた。
そのほかNPO法人ディの麓憲吾代表による講演「奄美豪雨災害から学ぶ情報伝達」もあった。