龍北中「島ユムタ」学習

身ぶり手ぶりで方言を教える地域の人たちと、熱心に聴く生徒たち

地元の文化に触れる
地域行事題材・地域の人々指導す

 龍郷町の龍北中学校(森真里子校長、生徒数15人)は9日、秋名コミュニティセンターと安木屋場公民館で総合学習「島ユムタ校外活動」を行った。自分たちの作ったシナリオを集落の方言(島ユムタ)にして劇として発表するために、実際に地域の人から方言を習うというもの。生徒は方言に触れる機会が少ないため、四苦八苦しながらメモを取り、学習に取り組んだ。

 学習では▽奄美の方言の良さを味わい、奄美の文化を語り継いでいく態度を育む▽郷土の文化に触れて郷土を大切にする気持ちを育てる―ことを目的としている。生徒たちは地域の人に昔の集落行事について事前に調査し、その姿をシナリオで書き起こした。あるグループでは「浜下れ」についてまとめていて、地域の人は「昔はこうだった。懐かしい」と当時を振り返った。

 グループごとに地域の人の住んでいる集落が異なり、調査した行事も違っている。熱心に一言ずつ、イントネーションや方言の使い方などを丁寧に身ぶり手ぶりで教える地域の人に、質問したり、発音の確認を行ったりと生徒たちは積極的に学んだ。

 中学3年の重山聖成くんは「方言はとても難しい。祖父母と暮らしているが、それでも自分に分かりやすく話してくれているのだと分かった。今と昔の集落行事の違いに驚いた。もし機会があれば、昔の行事も見てみたい」と地域行事に関心を抱いた。方言を教えた奥山よネさんは「3・4年前から参加しているけれど、子どもたちと話すのは楽しいし、面白い。学習にとても積極的で、元気をもらえる」と、生徒に負けじと元気に話した。

 担当の文澤竹弘教諭は「奄美の文化や島の言葉は今忘れられようとしている。子どもたちがそれに触れて次代に伝えてゆけたらと思う。奄美の方言は奄美語としてユネスコに失われる危険があると認定されているので、残してゆくためにも実際に学べる学習は必要」と学習の大切さを語った。