龍郷町で地域介護講座

手の持ち方で力の伝わり方が違うことを体感する受講者

正しい知識と技術学ぶ

 県介護実習・普及センター主催の「2016年度地域介護講座」が10日、龍郷町の町保健福祉センター(どぅくさぁや館)であった。一般33人、関係者11人の計44人が参加。絵で説明したり、体を使ったりと分かりやすい説明に、受講者は正しい介護に対する知識を深めた。

 理学療法士の白浜幸高さんは、介助をする際の注意点や介助を受ける人のことを考えた介助方法などを説明。介助は腰痛を引き起こしやすいことから、「腰を曲げた状態で行うのではなく、腰を落として行うと良い」などと呼びかけた。また、笑顔の絵と泣いている絵を見ながらだと力を発揮するのに違いがあることから、笑顔を心がけた方が介助を受ける人は筋力を使いやすいと説明。実際に体を使って実験すると、その違いに受講者から驚きの声があがった。

 県認知症介護指導者の碇山泰幸さんは認知症への理解を深める説明や、参加者の悩み相談に応えるなどの講座内容。碇山さんの問いかけや質疑応答に受講者は積極的に参加。認知症についての理解を深め、認知症ケアや介護者の介護負担の軽減などについて学んだ。

 介護実習・普及センター職員の永吉裕子さんは福祉用具の活用について説明。介護保険を使用して購入やレンタルができるなどの情報を受講者に伝えた。実際にいくつか実物を用意し、手に取ってもらう場面も。初めて福祉用具を手にする受講者もいて、永吉さんは用具の活用を呼びかけた。

 受講者は「この講座はとても勉強になった。地域の人への手助けや、将来介護が必要になった家族のために受講して良かった」と感想を語った。職場体験学習の一環で参加していた龍南中3年の白畑美海さんは「絵を見ているだけで力の入れ方が変わってしまうのは驚いた。将来は介護関係の仕事に就けたらいいと思っているので、この講座に参加できて良かった」と語った。