キビ病害虫イネヨトウ対策

メイチュウ類の防除方法として効果が確認されている液剤と粒剤

生育初期に適切防除を
効果ある2タイプ薬剤存在

 サトウキビの芯=しん=枯れを引き起こす病害虫「イネヨトウ(メイチュウ類)」が奄美地域で例年より多く発生しているとして、県病害虫防除所は注意報を出したが、防除用として高い浸透移行性効果などが確認されている2タイプの薬剤が登録されている。関係機関はキビ農家に対し、生育初期などを捉えた薬剤による適切な防除を呼びかけている。

 メイチュウ類はガの一種で、イネヨトウとカンシャシクハマキの総称。加害主要種であるイネヨトウは、奄美地域では年4~5回発生。キビの葉鞘=ようしょう=の内側に卵(20~50個)が産み付けられると、ふ化した幼虫が集団で内側を食害。中齢以降になるとほかの茎に食入し、茎内部を数節にわたって暴食するとされている。

 同防除所が奄美群島5島70カ所で6月上旬に行った調査では、90%のほ場で芯枯れの被害を確認。5月の73%から17ポイント増え、平年よりやや高い水準にあるという。なかでも徳之島、沖永良部、与論の南3島は「被害を受けた茎の割合が高い」としている。

 イネヨトウは2011年にも奄美で大発生したが、当時に比べて現在は効果的な薬剤が登録されている。薬剤名は「サムコルフロアブル10(液剤)」と「プレバソン(粒剤)」。いずれも群島内のJAで購入できる。県農業開発総合センター大島支場(久米隆志支場長)によると、液剤は葉から吸収、粒剤は根から吸収して植物体内に浸透するという違いがある。

 サトウキビの栽培型では、2~3月植付けの春植えは6月が最終培土(土寄せ)期間で、株出しも同様。同支場病害虫研究室の山口卓宏室長は「粒剤は最終培土の時期を捉えて6月いっぱいまでに処理する。生育初期にきちんと防除することが大切。液剤の方も散布できる時期を捉えての適切な対応を」と指摘する。

 処理量は粒剤が10㌃当たり4~6㌔、液剤が同100~300㍑。同じ成分を4回しか使うことができず、「粒剤は1回のみ、液剤は3回まで」。残留期間の関係で収穫30日前までに使用しなければならない。同研究室は薬剤に表示されているラベルを必ず読み、正しい倍率やドリフト(他のほ場などへの飛散)に注意しての使用を求めている。

 サトウキビ病害虫への注意報が発令されたが、薬剤を活用し防除すれば対策が可能なことから生産農家の対応が鍵を握ることになりそう。
(徳島一蔵)