りゅうゆう館で開かれた「クルーズ拠点整備計画案に関する意見交換会」
「クルーズ拠点整備計画案に関する意見交換会」(龍郷町主催)が28日夜、同町りゅうゆう館であった。ロイヤル・カリビアン社から副社長らも来島し、住民に計画案を説明。徳田康光町長は「大きな経済効果をもたらす可能性がある。個人的な意見としては賛成」と表明。島内各地から300人以上が来場し、意見を交わした。
会ではロイヤル・カリビアン社側からジョン・ターセック副社長など5人、芦徳集落の大村允久区長など2人、龍郷町からは徳田町長など5人が登壇。最初にターセック副社長らロイヤル・カリビアン社から拠点整備計画案について概要説明があった。
同社の計画によると、芦徳集落の北側を活用し、レストランや遊歩道などの設置やマリンレジャーなどのアクティビティを建設するもの。「森や海の景観が大事なので、その景観を壊すことはない。また、クルーズ船も環境への配慮を徹底しており、排出物を出したり、廃棄物を持ち込んだりはしない」としている。
徳田町長は「人口のほとんど変わらないと言われていた龍郷町も、今回の国勢調査により、この5年間で減少していることが示された。奄振も2018年で期限が切れる。その前に対策を考えていかなければならない。外貨を稼ぐためにも雇用の創出と企業誘致は必要では」と、誘致に賛成の意向を示した。
一方、大村区長は「こうしたクルーズ船の寄港地建設は日本で初めてのことと聞く。これまで何度も説明会や勉強会を行ったが、これだけ多くの人が関心を示している事柄。やはり芦徳集落だけで考えられる問題ではない」。芦徳集落住民も「芦徳だけで決められる問題ではない。住民投票で決めると言われ、ずっとプレッシャーを感じていた」と切実に訴えた。
質疑応答では町内のほかの地域や、他市町村から参加した人から、工事による赤土の流出防止策を問う声や、環境への影響などを指摘する声も。「芦徳集落のみなさんだけに考えさせるのは酷。しっかり町がサポートすべき」などの意見や、「国や県も誘致合戦しているところ。奄美に来てくれてありがたい」と賛成する意見もあった。