認知症サポーター養成に70人

老若男女の住民ら約70人が参加した認知症サポーター養成講座=徳之島母間小体育館

声かけの「徘徊模擬訓練」も(提供写真)

地域で見守り・支えを
徳之島町母間地区

【徳之島】「できることから始めよう、地域の支え合い!」。徳之島町社会福祉協議会(町田喜男会長)主催の認知症サポーター養成講座が2日、同町母間小体育館を中心にあった。住民ら関係者約70人が参加。専門家の講演や声かけの徘徊=はいかい=模擬訓練などで、地域ぐるみで見守り・支え合うことの大切さを再認識した。

同町では2012年9月、高齢者が一人で家を出たまま行方不明になり、懸命の捜索活動もむなしく悲しい発見となった例も。町社会福祉協は、認知症高齢者の一層の増加を見込み、13年度の亀津中区会場を皮切りに同養成講座を開始して以降、花徳、井之川地区に続いて母間は4地区目。

公益財団法人慈愛会・谷山病院、認知症疾患センター副所長などを務める黒野明日嗣氏が演題「認知症の方を地域で支える」で1時間講演。参加者たちは認知症に対する家族の役割の大きさや、本人とその家族を温かい目で見守り支える地域の存在の重要性などについても再認識し合った。

高齢者徘徊模擬訓練は、地域で認知症の高齢者が行方不明になったと想定。数班に分かれて炎天下の集落内に繰り出し、社福協スタッフらふんする高齢者役に声をかけるなど「気づきの目」も養い合った。再び体育館に戻っての訓練評価でも意見交換した。

池間集落の高齢者組織・池間いきいきクラブ会長の喜多川勝矢さん(74)は「小さな集落の住民たちは、昔からお互いの顔や性格も知っている。だが、今までと変わった点はないかなど、声かけ・気づきは大事と思う」などと話していた。

受講者全員には認知症サポーターの証のブレスレット「オレンジリング」が贈られた。