市きび振興対策協

16年度事業計画などを承認した奄美市さとうきび振興対策協総会

生産回復へ助成拡充
優良種苗、除草剤購入対象に

奄美市さとうきび振興対策協議会(会長・朝山毅奄美市長)の第42回総会が5日、同市笠利町の笠利総合支所会議室であった。16年度事業計画など2議案を承認。16年度予算では薬剤に加え、優良種苗と除草剤の購入助成を盛り込むなど助成制度を拡充し、生産回復に努める方針だ。

15/16年産の同市キビ実績は1万9031㌧。単収は微増したものの、収穫面積が減少したことから、生産量は同市となって以降、過去3番目の低さとなっていた。朝山会長は「サトウキビは経済波及効果が高く、基幹産業でもある。農家の生産意欲が減退しないよう、関係機関が密に連携し、来期こそは計画通りの生産量が確保できるよう努めていこう」とあいさつ。

16年度予算が約3050万円。一斉防除事業費820万円、土づくり助成事業費455万円などのほか、生産振興技術普及費として夏植え用として優良種苗購入助成に80万円、除草剤購入助成に335万円を新たに計上した。

今期産の生育調査の結果(7月1日現在)が示され、茎長は夏植えが26・9㌢増、春植え9・8㌢増、株出し13・5㌢増。茎数は夏植え7・1本減、春植え16・6本増、株出し1・7本増(いずれも前年同期比)となり、生育は好調に推移している。勢幸一副会長(富国製糖㈱奄美営業所所長)は、「単収が高い夏植の生産量が減っている。キビは夏植え、春植え、株出しのバランスが重要。農家へ助成事業をPRするなどして、最大の課題である生産回復に努めたい」と話した。

16年度事業計画では、土づくり・適期肥培管理作業・病害虫防除対策・優良種苗の普及などを積極的に推進し、受託組織の充実と営農集団の育成を図る。重点推進事項では、▽春植え・株出し体系の推進▽病害虫一斉防除の実施▽防風・防潮対策の検討・推進―など11項目を展開する。