龍郷・手広やさいクラブ

「手広やさいクラブ」に大島養護の生徒から立て看板が贈られた

大島養護給食に地場産野菜提供
野菜縁に絆深める

「安心安全でおいしい野菜を大島養護の子どもたちに」。龍郷町手広集落の女性たち有志で結成した「手広やさいクラブ」が今年度から、同町の県立大島養護学校と契約を交わし、児童生徒らの給食の材料として、地域で栽培した新鮮な野菜を提供している。4日には大島養護の側から高等部の生徒による畑用の手作り看板が同クラブに贈られるなど、地域と学校が野菜を縁に絆を深めている。

「学校給食に地域で作られた安心安全な地場産の野菜を増やせないか」。同校の中村周一郎校長が昨年度に地域住民に相談を持ち掛けたことをきっかけに、女性を中心とした有志が立ち上がり、同クラブを結成。集落で空いていた畑を借りて、地域の農家から助言をもらいながら、野菜作りに精を出している。

これまでにジャガイモやキュウリ、ピーマン、デザートのメロン、スイカなど同クラブで作った野菜、果物が学校給食に利用されており、「提供していただける野菜から献立を考えているが、とても良く協力していただいている」と同校栄養教諭の飛松佳子さん。

中村校長は「栄養教諭から『給食に地場産を増やしたい』と提案があり地域で相談したところ、集落の人が動いてくれた。これを機に子どもたちが地域への感謝の思いを持ち、また学校と地域の距離がいっそう近づいていけば」と期待した。

同クラブの伊勢るりさんによると、メンバーのほとんどが野菜づくりは〝素人〟というが、「日々学校で頑張っている大島養護の子どもたちに、私たちも負けないように」(伊勢さん)との思いで取り組んでいるという。

こうした中、4日には同校高等部の木工班「くろうさ工房」が作成した3種類の立て看板が同クラブに贈られ、児童生徒とクラブのメンバーが顔を合わせた。

生徒を代表し、高等部2年の田畑清志くんが「いつも美味しい野菜を提供してくれてありがとうございます。日頃の感謝の気持ちを込めて看板を作りました」とあいさつ。

伊勢さんは「大島養護の子どもたちのかわいい顔を見て、またとても素晴らしい看板を作っていただき、『ますます頑張らないと』と感じました。素人の野菜づくりで今年はまだ『お試し期間』だが、少しでも美味しい野菜を届けられるように頑張りたい。私たち集落の側としても、養護学校とのかかわりを持ててうれしく思っている」と話していた。