加計呂麻島沖の岩礁に集まるベニアジサシとエリグロアジサシ
加計呂麻島沖岩礁で約40羽
常田さん調査「ピーク時より少ない」
夏に渡来し、奄美で繁殖するベニアジサシとエリグロアジサシが瀬戸内町加計呂麻島沖の岩礁で確認された。岩礁側の上空では、魚を捕るために海中にダイブする姿も。毎年調査に訪れている自然写真家の常田守さんは「昨年の調査時よりは見つけることが出来たが、ピーク時よりはやはり少ない」と語った。
『奄美の稀少生物ガイドⅡ』(勝廣光さん著)によると、ベニアジサシはカモメ科の夏鳥で全長39㌢前後。6月に渡来し、海上の小島や岩礁などで集団繁殖するといい、絶滅危惧Ⅱ類(VU)に分類される。繁殖期は7~8月初旬。くちばしの大半と足が赤いのが特徴。
エリグロアジサシもカモメ科の夏鳥で、全長は31㌢前後と、ベニアジサシよりも少し小さめ。同じく6月に渡来し、海岸の岩礁上などで繁殖する。繁殖期は7~8月で、絶滅危惧Ⅱ類(VU)。頭は白く、目から後頭部にかけて黒い帯があり、くちばしと足も黒いのが特徴。
常田さんは毎年、大島海峡周辺でアジサシ類の調査をしており、昨年は渡来しているという情報はあったものの、調査日に確認することが出来なかったという。7月30日の調査ではベニアジサシ20羽、エリグロアジサシ17羽を加計呂麻島沖の岩礁で確認。周辺ではエサを捕るために海中にダイブする姿も見られた。
この日は一部波が荒れているということもあり、観察できない岩礁があったものの、常田さんは「昨年は見ることが出来なかったので、一応見ることが出来て良かった。ただ、アジサシの数はピーク時よりずっと少ない。キビナゴが減ったのが原因だろう」と語った。