「少女漫画界の神様」萩尾望都さん来島

ステージトークで談笑する萩尾望都さん=右=と徳雅美さん=中央=

シンポやアニソン、トーク
ファン、漫画漬けの一日に

 奄美市笠利町の県奄美パークで6日「少女マンガパワー!!展」のクロージングセレモニーが開かれた。約150人が来場し、専門家を招いたシンポジウムや、アニメソングのコーラス。さらに「少女漫画界の神様」とされる漫画家・萩尾望都さんのステージトークなどのプログラムが行われ、訪れた地域の人や少女漫画ファンは漫画漬けの一日となった。

 セレモニーでは、これまでに世界各地で行われた少女マンガ展の様子を紹介。アメリカやメキシコで開催された展示会を中心に、海外でどのように日本の漫画やアニメが受け入れられたのかを語った。

 コーラスでは、名瀬フロイントコールの人たちがアニメソングに初挑戦。「鉄腕アトム」や「宇宙戦艦ヤマト」など、親しみ深い選曲で来場者を楽しませ、会場からは手拍子や一緒に口ずさむ声が響いた。

 萩尾さんのステージトークは、カリフォルニア州立大学チコ校教授の徳雅美さんと対談式で進められた。「11人いる!」や「トーマの心臓」など有名作品の紹介や制作秘話を談笑しつつ行い、今年5月に続編が掲載された「ポーの一族」は「思っていたより長くなってしまいました。読み切りではなく、続きがあります」とファンを喜ばせた。

 ステージトークの最後に設けられた質問コーナーではファンの人から「先生が最終的に目指しているものは、なんですか」との質問に「解放されること。漫画を描いていると解放されて、自由になる感覚がある。これは一生やめられない」と、これからも作品を描き続けたいと意欲を見せた。

 龍郷から訪れた人は「職場でもこの話題で盛り上がった。萩尾先生の「ポーの一族」は全巻揃えていて、とても好きな作品」と、興奮がさめやらぬ様子。このために京都から訪れたという人も。

 今回が二度目の来島となる萩尾さん。奄美を題材とした作品制作の期待の声もあがり、ファンにはたまらない時間となった。