音楽一家ふるさと公演で交流

吹奏楽共演でも交流した音楽一家「幸多ファミリー」(アンコールに即興アカペラも)=17日、徳之島町文化会館

洗練の演奏で魅了 吹奏楽仲間と共演も
幸多ファミリー

 【徳之島】徳之島音楽教育研究会10周年特別企画「音楽一家 幸多ファミリーがお届けする愉快なコンサート」(同研究会主催)と銘打った公演が17日夜、徳之島町文化会館であった。母校の徳之島高勤務当時の同会〝生みの親〟幸多優=まさる=さん(52)=県文化センター企画事業課長=ら一家5人が、卓越した演奏やダンスなどで観客を魅了。島内の中学吹奏楽部などとの共演でも絆を結んだ。

 徳之島音楽教育研究会は、島内の小中高吹奏楽部の関係者が集い県コンクールに備え、町文化会館ホールで練習と合同演奏会「徳之島子どもミュージック・フェスティバル」を開いたのが始まり。10周年特別企画で、稀有な音楽一家のふるさと公演を実現させた。

 満員の観客を迎え、即興のオープニング演奏で第1部が開演。「ザ・カルメン」(G・ビゼー作曲)や「情熱大陸」(葉加瀬太郎同)、「コンツェルト・シュトゥック」(P・ヒンデミット同)など親子アンサンブルなどで魅了。洗練された演奏の合間には、気さくな親子コントのパフォーマンスで爆笑を誘うなど会場を和ませた。

 音楽教師らしく楽器の歴史や特徴などを楽しいトークで解説も交え計9曲を披露。第3部(吹奏楽の仲間たちと共演)では、亀津中・東天城中・北中・天城中の各吹奏楽部など約50人との「ラテン・フィエスタ」(鈴木英史編曲)など力強い合同演奏でも交流した。

 大好評だった公演に、幸多さん(52)は「私や子どもたちの同級生、教え子たちなどお世話になった多くの方々も来場。文化会館が研究会を維持してくれていることがうれしかった」と話した。
 【幸多・音楽一家】▽父・優=まさる=さん=伊仙町出身=は県立高音楽教師などの傍ら1987年県育英財団国外留学で仏パリのサクソフォン演奏家に師事。全国高校選抜吹奏楽団の指導者・演奏者で2010年12月に米カーネギーホール、11年同には豪オペラハウス親善演奏会にも出演。アンサンブルの主宰や指揮者としても活動中。▽母・啓子さん(50)もパリ留学で師事したピアニストで現在紫原中学教師。12年には同中合唱部を全国大会に導いた。名曲コンサートや学校鑑賞教室を中心に演奏活動中。▽長女・美裕さん(26)=もサクソフォン演奏家で現在パリに留学中。14年アドルフサックス国際コンクール、16年パリ・サクソフォン国際コンクールソリスト部門でそれぞれ第1位に輝くなど新進気鋭の若手演奏家として国際的に活躍▽2女・美陽さん(21)はショーケースや舞台で活動中のダンス・パフォーマーで、同指導者として活動▽長男・俊さん(16)はパーカッションが専門で現在、鹿児島松陽高音楽科2年生。MBCユースオーケスト、鹿児島ウインドアンサンブル両団員。