ボランティア清掃で草を刈り、ウミガメの産卵場所を確保している(吉行秀和さん提供)
卵からふ化し、海へ向かう子ガメ(同)
地元住民がボランティア
喜界町志戸桶
ウミガメの保護活動を目的に、連日海岸清掃ボランティアに汗を流す人がいる。喜界町志戸桶の濵川幸子さんと繁文子さんだ。今年3月から同町志戸桶海水浴場の漂流物や雑草の撤去作業を始め、今年はウミガメの上陸数は例年と比べ倍増。今月に入り、卵からふ化した子ガメが次々と海へと進む光景がみられる。
濵川さんらが作業を始めたのは今年3月頃。悪天候の日を除き、毎日午前6時頃から約1時間、波打ち際のゴミや雑草など撤去を続け、白い砂浜が姿を現した。
10数年に渡り、ウミガメの保護活動をしている濵川さんの夫・孝久さん(77)によると、例年4~5頭だった同海水浴場への上陸数は、今年は10頭に増加。このうち6、7頭が産卵し、今月4日を皮切りに、22、24日にふ化を確認したという。
孝久さんは「ボランティア清掃が要因かは分からない」としながらも、「産卵の環境を整えることは、ウミガメの保護につながる。地域の人の協力も得ながら、人手を増やし保護を続けたい」と話した。