全国中学相撲選手権で団体初優勝を達成。町長らに報告した亀津中の豊田主将ら3人と関係者=29日、徳之島町
【徳之島】石川県で21日開催の全国中学校体育大会・第46回全国中学校相撲選手権大会(日本中学校体育連盟など主催)で団体初優勝を果たした亀津中学校の幼なじみトリオが29日、徳之島町役場に高岡秀規町長を訪ね、日本一達成を報告した。同町長は体格差のハンデを「心技体」の精進で克服してつかんだ日本一の快挙をたたえた。
亀津中3年生の団体全国初優勝メンバーの豊田倫太朗(主将)、新田竜将、行大成の3人=いずれも同町亀津南区=は、幼少期からの指導者・吉健俉さん(62)のもと相撲スポーツ少年団で切磋琢磨してきた幼なじみ。そして中学選手権は「3人での団体全国優勝」を最大目標に、日夜の厳しい練習に耐えてきた。
その成果を発揮して予選突破で迎えた石川県代表・津幡南との「中学相撲日本一」への頂上決戦。開催地の200人超の相手応援団に飲み込まれそうな完全アウェー決戦では先鋒戦こそ落としたが、中堅・新田が突き落とし、大将・豊田が土俵際に押し込まれてからの豪快なすくい投げで逆転勝利。
奄美勢としては第11回大会(1981年度)と第13回同(83年度)2回の古仁屋、第29回同(99年度)の赤木名いらい17年ぶりの全国制覇となった。
優勝旗やカップを手土産に凱旋帰島した3人は、厳しかった決勝戦を振り返り「相手は大きかったが、優勝できて良かった」(行君)、「自分の相撲が取れた」(新田君)、「立ち合いで右わきが空いて土俵際まで持っていかれたが、粘って最後は勝てたので良かった」(豊田君)。来年4月以降の高校相撲に向けては各自の欠点を克服し、3人そろって県内にある相撲の強豪校への進学を目指す。
高岡町長は「体重別など階級がないのが相撲。比較的に身体が小さい島の子が日本一になったことは、心技体が優れていたと思う。日本一に心からおめでとうと言いたい」。亀津中の芝原睦美校長も「3人でずっと相撲をやってきて団体戦で勝ち、結果を残したことに大きな意義が。自分たちへの大きなプレゼントであり、学校全体の支えにも」とたたえた。